Quantum Mechanics
量子力学を学ぶ上で基本となる事柄を詳しく書いた良い本です。
標準的といっていい内容。
和訳されたものも売られていますが
英語に慣れていくという意味で原書で読むのも良いのではないでしょうか
Principles of Quantum Mechanics
私はこの本を読む前に6-7冊の本を試してみましたが、この本ほど分かりやすくて内容がしっかりしている本は他にありませんでした。一つの注意:従来の教科書のようにこの本は波動形式で書かれておらず、最初から行列形式で記述されています。これは決して欠点とは言えません。その方が一般性があって有力なMethodです。必要な数学は全て第1章にまとまっています。その後古典力学の必要な概念が載っているので、解析力学を勉強しいない学生も助かります。第4章に量子力学のPostulationが記述されてから第5章以降は一次元ポテンシャルへの応用、調和振動子、対称性問題、同種粒子問題、軌道角運動量とスピンやそれの合成、水素原子、摂動理論、散乱などの内容が載っています。経路積分についてもかなりのページ数が費やされていて、最後にDirac式について書いてあります。かなり厚い本ですが、時間をかけてじっくり読んでいけば初級から中級レベルの知がしっかりと身に付くはずです。読み終わっても参考書としての保存版ともいえます。J.J.Sakuraiの現代量子力学もすばらしい本ですが、初級レベルの内容は(一次元ポテンシャルなど)記述されていないので、Shankarの次にSakuraiを読むといいでしょう。因みにSakuraiの角運動量の章はShankarのそれより高度な内容です。Sakuraiの本には独特の”味”があって(私はSakurai第3章までしか読んでいません)、読むのは非常に楽しいです。ShankarとSakurai(現代量子力学)レベルの知識があれば、量子力学の面では場の量子論に進む準備ができているといえます。(しかし、場の量子論を学ぶには古典電気力学の高度な知識や複数解析の知識も必要です。)
Lectures on Quantum Mechanics (Dover Books on Physics)
ディラックの量子力学は、朝永振一郎先生監訳が出ているが、値段は6千円以上すると思う。だが、このペーパーバックスは、なぜこんなにも安いのか?、古典と言うべき本が、皆な安いのは翻訳料が高いのか?、1/4〜1/5の値段で買えるのだ。ディラックの「量子力学」「相対論講義」はもう殆んど、一度は読んでおくべき基本書であるが、科学雑誌は殆んどが英文だ、英文が読めなければ情報が取れない。やはり科学論文を読む英文の力は不可欠だ。話せなくても好い、ただ難なく読める英文の読解力はもう不可欠だ。今更謂うべき程の事はないこれ常識だ。この本は、日本語の1/10です、こんなに安いとは!科学書だけではない、あらゆる分野で本が安いのだ、英文読解は資金の節約になる。
宇宙は何でできているのか (幻冬舎新書)
ものすごい濃い内容。タイトルの疑問を冒頭で呈示して、素粒子の探求でクォークまで解説した後から、4つの力の説明になり、量子色力学、弦理論、CP対称性の破れまで至り、「物質とは何なのか」「なぜ物質は物質として存在するのか」の根源にかなり迫っているな…と思ったらまたタイトルの疑問「宇宙は何で出来ているのか」に戻ってくる。宇宙の重さの96%は何か。わかりませんが結論。本書が縷々書いてきた話はそのうちの4%に過ぎない。暗黒物質はどこにでもあるけど、ほかの素粒子と全く付き合いがなく、我々の体や宇宙をすいすいすり抜けているのではないかと著者は推測する。暗黒物質よりさらに多いと推測される暗黒エネルギーについてはさらに不可思議だ。ものすごい宇宙が膨張しているにもかかわらず、密度は全く変わっていないのだという。見つかってもいないものの密度やら分量やらがなんで推定できるんだ、いう疑問はさておき、こんな物理法則をあざ笑うような妖怪みたいなものを探す気によくなるなあ…と思う。自分だったら匙を投げる。
なにせ新書でこれだけの内容なので、数式はなくエピソードもはさみ込んで軽いエッセイ風の文体で書かれていて、基礎知識も不要ではあるものの、崖を登るような急ピッチで内容が難しくなる。私は、坂田モデルや量子色力学の項の解説はチンプンカンプンで理解をあきらめた。他のところも頭で字面はわかっても、内容が腑に落ちてこない所も多い。だがそれは、内容が本当に難しいからであって、この種の入門書としては、かなり分かりやすい部類に入ると思う。素粒子、宇宙の根源に興味がある人はトライする価値のある本ではないか。先に述べた通り、題名の疑問の解答は「ほとんどわからない」のだが、20世紀末になって「わからないということがわかった」ということが収穫であると著者は説明しようとしている。
NHKスペシャル アインシュタインロマン DVD-BOX
当時の科学系月刊誌コラムでの情報ですが、NHKアインシュタインロマン 最終回はドラマ仕立ての内容といいキャストと言いとても良く出来た秀作でしたが、番組の一部の内容が、ユダヤ教よりキリスト教の方が優位であるかのごとく、誤解を招く表現があると、イスラエルよりクレームがつき、この番組の資料など根幹を握るヘブライ大学ESアーカイブなどの資料関係を今後使えなくなる恐れが生じたために、第6回は再放送時も残念ながら諦めたようだ。と言うような事が、うる憶えですが書いてありました。真偽のほどは不明ですが、当時はイスラエルもシオニストが活発な時代ですから、そうなったのではないか? 今となっては幻のプレミア回ということですね。主演したフランス人のジューリー ドレフェスが(フランス語講座にもでていた)めちゃくちゃ奇麗だった。VHS版かLD版では、第6回がでているかもしれませんが1991年リリースでは、当然今は廃盤でしょう。持っている人は相当な価値があるかも。私は持っていない。