どこかで聴いたクラシック クラシック・ベスト101 PARTII
ディスク6は抜粋の曲が多すぎる。だいたい6枚で101曲は無理がある。抜粋をなくして80曲くらいに減らしたほうがいい。101曲にするなら、ディスクを増やしてほしいね。コストの問題もあるんだろうけど。エイベックスは、100曲で10枚組にして、フェードイン、フェードアウトは一切ないけど、演奏がいまいちな楽団ばかり。こうしてみると、広く浅く聴いてしまいがちになる。
禁じられた遊び(トールケース) [DVD]
第二次世界大戦中、ドイツ軍の攻撃で両親を失った少女ポーレットが、川で流されている飼い犬の亡骸を追っていくうちに迷ってしまい、そこで近くに住む少年ミシェルと出会います。そしてミシェルが両親を説得し、ポーレットと共に生活するようになります。
ポーレットは自分と両親、あるいは大好きな犬の体との体温の違い、暖かさと冷たさによって死というものを判断しているようですが、実際に「死」というものが何なのかは理解していません。ミシェルから「死んだら土に埋めて葬らなきゃいけない」と聞かされ、風車小屋の中に犬の墓を作ります。埋められた犬が寂しがらないように他の小さな生物(もぐら、ミミズ、ひよこなど)の墓も次々と作っていきます。霊柩車や教会から十字架を盗み、お墓の墓標にしようとするのですが、それが両親達にばれてしまいます。ポーレットとミシェルにとってはある意味「遊び」だったのかもしれませんが、大人にとっては大変です。
ストーリーが進むにつれて、ポーレットの漠然としていた死に対するイメージが、次第に具体的になっていくような気がします。まだ幼いのでどこまで理解できたのかはわかりませんが、少なくとも「命を失う」「死ぬ」ことに対する悲しみが感じられるようになったのではないかと思います。
戦争中の話ですがライフルを持って戦うシーンなどは無く、戦争の影が見え隠れする静かな農村を舞台にしています。その為か、実際に空襲で両親を失ったポーレットと、農村で生活するミシェルやその家族達の戦争に対する認識にギャップがあるように思います。その証拠に、ミシェルは爆弾の音が聞こえると「戦争だ!」といって、まるで英雄を見るかのように興奮し、喜んでいる節があります。ストーリー中、隣人の息子が兵士として活躍しつつも、逃げ帰ってきたということからも、ミシェルの憧れと現実の戦争とのギャップも表現されているように思います。戦争というかたちで、死が身近に感じられる時代にしてはならないと、改めて思いました。
それにしても、欧米に限らず、海外の子役は何でこれほど自然な演技が出来るんでしょうか。本当に関心してしまいます。わりと最近のフランス映画で「ポネット」という映画がありますが、この映画が気に入った方はこちらもチェックしてみてはいかがでしょうか。
アルハンブラの想い出/イエペス、ギター名曲集
通常2本指で頑張って弾く16分音符などの早い部分を、イエペスは3本指で簡単そうに奏でるという。このアルバムの音色はイエペスらしさが溢れている。使用楽器は、かのホセラミレスが第1号として制作した10弦ギターで、コンサートではピアノのような音が漂う。「禁じられた遊び」は映画での採用でイエペスをスターダムにのし上げたが、彼はコンサートでこの曲を期待されることに飽き飽きしているという。
アルバムの中で、目立たないがタレガの「ゆりかご」なども名演の一つで、これを真似ようとしてもなかなかこれに勝る演奏はできないと嘆くギタリストも多いらしい。
ただ「アルハンブラ」は演奏が早く粗い。村治佳織がこの曲には向いている。
バッハ:リュート作品全集
ユングヘーネルがロイスナーを演奏した作品を聴いたことがある。
家のどこかにあるはずだが、出てこない。
そのたおやかな響きがずっと耳朶に残っていた。
ナルシソ・イエペスもバッハをリュートで弾いているが、こうも違うか、と思う。
リュートは、ギターよりも、ゆるい響きがする。
特に、現代ギターは、輝かしい音を出そうとしているのかテンションきつめの傾向があり、
ご立派すぎて、正直つかれるときがある。
リュートの銀鼠の響きは、日本の古い民家の、風通しの良い畳にねっころがっているような安堵感がある。
何より良いのは、赤ちゃんが大人しくなることだ。
誠実さが伝わってくる演奏にも好感が持てる。