乙女の儚夢
どんないきさつで当時このLPを手に入れたのかは定かではない。
30年近く前のやっと「俺は子供じゃない」といきがりはじめた
中学生には、問答無用のインパクトがあった。
記憶の底にある薄暗い路地裏で、壁の穴から覗き込むような
後ろめたいような気分にどきどきしながら、何回も繰り返し
聴いたような記憶がある。
ジャケットは小さくなってしまったし、当時は無かった歌詞カードも
入っている新品だけど、やっぱり頭の中の路地裏と壁の穴は今でも
しっかり残っていた。
涙出そうです、聴くべし。
日本の名詩を読みかえす
石垣りんも、山村暮鳥も、丸山薫もこの本で知った。こんなに、詩の世界が楽しいとは今まで知らなかった。北原白秋や、三好達治など、有名どころも網羅してあり、また各詩人から2、3の代表作をピックアップした後の編者の適切な解説が素晴らしい。詩も、たまには読んでみたいけれど、何から入れば分からない時、この本を手に取れば間違いないと思う。これと、ねじめ正一氏の「言葉の力を贈りたい」を読めば、詩の魔力の虜になることうけあい!
うた絵本「赤色エレジー」
なぜか、ディスク枚数2となっていますが、2曲入りの12cmCD1枚です。
盤起こしと言う事で、少し音が割れ気味な所もあります。
曲が余りに良いので、繰り返し聞いていると、私の場合、ノイズ・割れが、どんどん気になってきました。
絵本の方は、綺麗で、よく出来ています。
値段は、ちょっと高いと思います。
赤色エレジー [DVD]
懐かしの名作劇画の映像化。冒頭、壮年の男性(原作の漫画家であり本作の監督でもある林静一さんらしき姿かたちの人物)が、かつての4畳半を訪れ過去を振り返るというシークエンスから物語は始まる。しかし、林さんご自身は原作を描いていた当時には同棲経験がなかったそうで、また、主人公のように東北が故郷でもないとのこと。林さんも職業アニメーターであったことから、『赤色エレジー』があたかも私劇画であるかのように「誤解」(もっとも林さん自身それを楽しまれているように見えるけれど)されることも多いようだが、この物語は案外クールな視点から描かれているように思う。物語を断ち切るかのような、ラストシーンでの「幸子」の所作―全編新作の絵そして色彩―が本当にすばらしい。
毛の生えた拳銃(若松孝二傑作選外伝7)
こんな映画の題名は聞いたこともありません。俳優さんも全然知らない人だし、裏ジャケットの女優さんもアレだし。きっと、60年代末期に流行った青臭ーい無責任団塊ヤングの勝手な咆哮ばっかりの映画なんでしょう。と、想像してみましたが、TSの中村誠一さんて勿論現役で、フツーのジャズ喫茶でこないだもライブを1.5メートルという至近距離でセクシーに演奏してたあの人なんですね。
それはさておき音盤をオンしたら、イメージ豊かな演奏が聴こえてきたのにはちょっとビックリしました。全て曲名は「毛の生えた拳銃」で、サントラですから「毛の生えた拳銃M-11」というように曲名に記号があるだけなんですね。全部違う曲です。
フリージャズと聞くとまず嫌悪感を持つ私は引いてしまうところですがなぜか即興演奏だろうに(?)聴きやすく、iPODで出勤途上で聴くようになってしまいました。
ドラムは今名古屋にお住まいだという森山威男さん。第一期山下洋輔トリオのメンバーだったそうな…。すみません、全然ジャズ業界に疎いので。
ぜひ、1960年代末期の何かが起きそうな殺伐とした乾いた世界に咲くこのサントラCDを聴いてください。貴方がこの「映画の主人公」になれるかもしれません。