ゼロ年代アメリカ映画100
タイトル通り、2000年代アメリカ映画をカタログ式に紹介するガイドブック。
一年ごとに、その年に話題となった作品を本づつとりあげ、見開きで丁寧に論じている。
カタログとコラムが交互に続く構成も読みやすく、一つ一つの文章も充実しているので、単なるガイドとしてだけでなく読みがいのある本だ。
(贅沢を言うならば、各執筆者の記述のスタイルが、どうしても、あえて2000年代の問題を記述しているようには見えないということくらいか。
しかしそれは、この本の欠点ではなく、むしろこれから映画について考えたい者が、この本を読んでから考える問題だろう。)
まだ終わってから一年しかたっていないこの十年間とは何だったのか、アメリカ映画はその中でどう位置づけられるのか。
むろん「2000年代」というくくりは恣意的なものかもしれないが、そうすることで見えてくる傾向や潮流について何か語れないだろうか。
――おそらく執筆者の間で共有されているこの問いに、しかし明確な答えが出ることはない。
せいぜい、うまくやった何人かの映画作家がいた、ということしか語られない。
事実、2000年代はそういう時代だったのではないか(あるいは、まだ私たちにとってそのような時代としてしか映っていないのではないか)。
その意味では、2000年代という時代のまだ定かでない空気を記録として残すことに成功していると思う。
オール・カインズ・オブ・ピープル~ラヴ・バート・バカラック~プロデュースド・バイ・ジム・オルーク
一聴、耳ざわりの良いだけの音楽と感じるかもしれけませんが
とろこどころに凝り凝りのしかけが隠されているんですよね。
イージーリスニングがもつ隠れた狂気をうまく表現していると思いますよ。
バカラックのカバーものでは、かなりのレベルでは。
69/96
意味深なタイトルの本作はソウルフルなエリ(元ラヴ・タンバリンズ)のボーカルから始まる。1が、このスペース・オペラのような作品の序章となるわけだが、問題はその先だ。2はかつて80年代を騒がせた奇才トレバー・ホーンがその名を上げ始めた頃の過激さを持つバイオレンス・ナンバー。鋭いエッジのリズム・トラックが耳をえぐる。ひび割れ寸前のラジオ・ノイズ・ボーカルが♪僕の背中に生えてきた黒く大きな翼♪と歌い出すと、クローネンバーグ映画みたいなザラリとした味が舌を刺激する。曲がカット・アウトになると、ボーカルの短いインサートをはさんで、電話の時報。続く3はウクレレが響き続ける宇宙ハワイアン。一瞬も油断できない。聴き手に対して非常に挑戦的なアルバムだ。ヤケクソのようにロックしている4、ムッシュかまやつのナレーションが聞こえる5が終わると、今度は昔のリバプール風の6がアナログ・サウンドで迫ってくる。ハーモニカやウクレレなど、一見ソフトな楽器を操る気分はこのうえなくワイルドで、イメージの振幅が大きい。ノイズ入りオーケストラからヘヴィメタになだれ込む12、13あたりが最高の盛り上がりだ。カット・アウトやテープ逆回転あるいは速や回し、ラスト15では海辺の音が延々と続いて再び戻るなど、トリックが多すぎてヘトヘトになる。ロマンチックな14でさえ、歌をすんなりとは聴かせてくれない。だからこの14の♪ひどく恐ろしい 話して笑っていた♪というフレーズが、全体の印象と重なって響いてくる。時代の暗部を深層で受け止め、笑いで切り返すとは、コーネリアスはひどく強い猿だ。
テイルズ オブ クロニクル 『テイルズ オブ』シリーズ15周年記念 公式設定資料集 (BANDAI NAMCO Games Books)
テイルズのファンなので購入しました。
お値段は高めですが、とても見ごたえあります。
紙も良質だし、ちょっと高価そうに出来てます。
声優インタビューは他の方が言う通り、テンペストやラタトスクのメンバーはありません。
インタビューは主人公&ヒロインのみですが、主要キャラは色紙コメントという形で載っています。
個人的に残念だったのは、デスティニー2のナナリー役の色紙コメントがかかずゆみさんだけだったという点です。
やはり本来は川上とも子さんなので、彼女の色紙も載せてくれたら嬉しかったですね。まだお仕事復帰されていないのかもしれませんが…。
シリーズについては全シリーズ。マザーシップタイトルもですが今まででた外伝は勿論携帯で出た作品も解説されているので面白いです。
やはりテイルズという作品に関わったスタッフさん達のインタビューはとても見ごたえがあります。
個人的には藤島康介さんといのまたむつみさんの対談はとても良かったです。
藤島さんがリオン、いのまたさんがユーリを描いてくれてますので、ファンは必見ですww
そして一番はやはり未公開資料ですね。
ファンタジアからリバースまでですが見たことない資料が載っています。
驚いたのはファンタジアの資料ですね。藤島さんが描く前のイラストまで載ってて感動です。
他にも没になったストーリー案とかキャラクター案があるので本当に面白いです。シリーズファンは買って損しないと思います。
(追記)
色紙コメントですがナタリア役の根谷美智子さんの分も載っていませんでした。
ライフ・アクアティック [DVD]
ロイヤルテネンバウムスの監督さん。
今回も「なんか変」な雰囲気と「なんか変」なビジュアルで、意外と根っこはシリアスなテーマを描きます。「なんか変」なのに、ちょっとホロリとしたりもします。
ウィリアム・デフォーがずっと半ズボンなのと、ベラフォンテ号の断面図セットが好きです。
豪華出演者のしれっとした演技と嘘の海洋生物も「なんか変」で好きです。
音楽もよいし、色もよい。
あのユニフォームを着てみたい気持ちになります。