耳に残るは君の歌声 オリジナル・サウンドトラック
映画を観て、どうしてもサントラが気になり購入しました。主題となる曲はすばらしい曲ですが、このテノールの方は改めて聴いてみると、残念ながら良くなかったです。それで、同時にドミンゴの同曲のCDを聴いてみましたらすばらしかったです。このCDは、Kronos Quartetが数曲入っていて、それはすばらしいので、購入してよかったです。
プッチーニ:歌劇《トスカ》全曲 [DVD]
言わずと知れたイタリアオペラの名作。「歌に生き、恋に生きる」歌姫トスカは逮捕された恋人マリオを救うため、彼女に関係を迫る警視総監スカルピアを殺害します。銃殺刑にされるマリオ。これは偽装で、発射されるのは空砲のはずでしたが、スカルピアの奸計で実弾が発射され、マリオは命を落とします。嘆くトスカにも追手が迫り、彼女は城壁の上から身を投げるのでした―――
歌手、演奏、演出。すべてがバランスのとれた『トスカ』です。あえて欠点と呼ぶところがないのは非常に素晴らしいですが、それが欠点だと言えなくもない。あまりにもかっちりまとまり過ぎて、かえって面白みがない。解説には「羽目を外さず、スタイリッシュな造形が優先」と書かれていますが、言いかえれば、小さくまとまってしまったといったところでしょうか。
オペラ(とくにイタリアオペラ)ならではの「過剰さ」。見せ場ではたっぷり見せ、歌うところではたっぷりと歌い上げる大げさとも言える過剰な表現。それもオペラの見どころだと思うのですが、その点がいささかおとなしい。そのせいか観終わった後の印象が薄いんですね。
不満も書いてしまいましたが、全体的には完成度の高い『トスカ』ではあります。いい意味でこちらの予想を裏切らない、始めてみる人でも安心の手堅い作りの舞台です。それだけに上記で述べた印象の薄さが惜しく感じられてしまう。というわけで、☆は4つです。非常に残念なのですが。
プッチーニ:歌劇「トスカ」(全曲)
すべてはムーティの棒のもとで行われる悲劇です。一幕の最初の音は、三幕の悲劇に向かって怖いくらいに持続します。きれいな音楽になりがちな三幕も弦のポルタメントによる効果など、トスカがこの上ない悲劇であることを再認識させてくれます。歌手では、テノールのリチートラが知的なカヴァラドッシをムーティの音楽に沿って好演していると思います。その他グレギーナもヌッチも期待通りの歌唱をしています。このCDは、ムーティの今の音楽の方向をよく示したすばらしい記録だと思います。
フィギュアスケート・アルバム~銀盤のクラシック
ウォルト・ディズニーの「ファンタジア」、日本映画界の巨匠・黒澤明の「夢」といったオムニバス作品に夢中になった僕にとって、この荒川静香さん推薦の「フィギュアスケート・アルバム〜銀盤のクラシック」は、もはや芸術と音による新たな世界への入り口です。とにかく、聞いてみてください。そして聞き終わった後で感じてみてください。『芸術と音もここまで来たか………』と。
デュエット
今をときめくテノールの2人がデュエット? どんなものかと聞いてみた。なるほど今までのオペラ歌手にはない企画だ。最近ローマで2人のコンサートがあったという記事を見たが・・・。3大テノールに限界が見えたので市場がこちらを向いたのか?
新しいジャンルへの挑戦ととらえて星4つだが、もし2枚目を聴きたいか?と問われたら自信がない。高い実力をもったテノールの2人なので聴きごたえはあるが、やはり彼らはオペラで聞きたい。特にリチトラはベルゴンツィに師事したうえにムーティのお気に入りということなので本格的なリリコ・スピントテノールとして王道を行ってほしい。
ただし、この一枚に限ればとても面白いCDなのでお薦めしたい。2人の発声の違いや感性の違いが聴き取れて興味深い。