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シューマン:謝肉祭 当初は「指揮者アーノンクールが協奏曲を録音するときのピアノ奏者」で、次いで「近現代音楽のすぐれたピアニスト」であったエマールが徐々に活動領域を広げて、ついにロマン派のピアノソロ曲をリリースするようになった。もともと、彼は私の中で、アーノンクールと録音したベートーヴェンやドヴォルザークを聴いた限りでは、「楽譜に忠実だけれども、没個性的な面もある」と感じていた。けれども、ここに来てその評価がいい意味で覆った。

これは2006年、ウィーンでのライヴ録音。まずこれに驚く。おそらく、教えられずに聴いただけでは、「スタジオ録音」だと思ってしまうのではないか?それほどこの録音はノイズがないし、演奏は万全にコントロールされている。ライヴだからといって熱したりせず、それがこのピアニストの近現代もので見せる理知的なパフォーマンスと繋がっているというのはあながち穿った考えでもないと思うけど。それにしても見事なテクニックである。

演奏のスタイルはきわめてシャープだ。音の膨らみを警戒し、肉付きを排し、細やかな音によってつむがれたガラス細工のような音。その音によって、微細な和音や分散和音のコントロールを行っていて、ぐっと聴き手の耳をそばだたせる。ある意味クールすぎる演奏かもしれないが、決してつまらない演奏ではなく、きわめて美しい。例えば交響的練習曲の第5変奏の、万華鏡のように細かい破片を幾何学的に散りばめたような音の特異な美しさは、他の演奏では感じられなかった性質のものである。

好きな人はとことんハマる演奏だと思う。

Les Misérables [DVD] [Import] 本作は、世界的に有名なフランスの小説「レ・ミゼラブル」(ユゴー作)を元にリーアム・ニーソン主演で映画化された作品です。原作は長編小説である事から、約130分間に収めるために所々に脚色や変更がされていて、比較的できのよい映画となっている。でもやはり何かが物足りないという印象で、カレーにお肉やにんじん、ジャガイモなどの具が抜いたような薄っぺらさで、特に後半はコゼットとマリウス以外のABCの友(アンジョルラス、クールフェラックなど)やパトロン・ミネットなどの人物が殆ど登場しない(約130分の映画だから当たり前か)ためか、物語の醍醐味が感じられなかった。終わり方も中途半端でここで終わりか?というような感じでなかなか見終わった気がしない。もう少し時間があればよかったんだけどなぁ・・・。

既に原作を読んだ人は、この映画を見てガッカリしている人もおそらくいると思いますので、原作の内容を堪能するなら、1957年のジャン・ギャバン主演の映画版をお勧めする。また、日本製作では、原作を比較的忠実に再現されているアニメ版、世界名作劇場の「レ・ミゼラブル 少女コゼット」も是非見てください(但し、コゼットが主人公なのでアニメオリジナルエピソードが追加されたり、終盤が全く違う所もあるがそれ以外は殆ど同じです)。

機動戦士ガンダム外伝 THE BLUE DESTINY (KCデラックス) 本書はSS版ガンダム外伝のノベライズであるが、
誰もがプロローグにて度肝を抜かれることだろう。
1年戦争が舞台であった外伝だが、
物語の始まりは『逆襲のシャア』のクライマックスで幕開ける。
この理由は著者のあとがきにて語られているが、
本書の主人公ユウ・カジマは単なる1年戦争時代の一パイロットではないのだ。

0079の1年戦争から0093年シャアの反乱までの激動の時代を
一連邦軍人としてその人生を送ったのだ。
本書はゲーム中の設定とゲームには活かされなかった設定を描き、
より外伝世界に深みをもたらしている。
今は既に衰退したハード、SSのゲームであるだけに、
リアルタイムでプレイしたことのない方も多々いらっしゃる。

そんな方は、これで外伝の世界を堪能していただきたいと願う。
きっと、貴方のガンダム世界をより広げてくれるであろう。


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