GLOSS DROP [解説付・ボーナストラック収録 / 国内盤] (BRC288)
1st『Mirrored』にあった複雑さや緊張感が減退し、ストレートでポップな印象がする2ndアルバム。タイヨンダイの脱退により3人になりましたが、そのぶんバンドとしてのアンサンブルを重視した感じがします。作品全体の流れやまとまりの良さは、1stより優れていると思います。ただ、EPや1stにあった革新的な音楽性を求めると、肩透かしな感は否めません。そこが評価の別れ目ではないでしょうか。僕個人としては決して悪くないと思っていますが、やはり少し物足りないのも事実…。蛇足ですが、相変わらずジョン・スタニアーのドラムがかっこよすぎる!しびれます。
Frances the Mute
2005年、THE MARS VOLTAの2ndアルバムです。
1st「De-Loused in the Comatorium」では、相当、暴れ倒していましたが、
この2nd「Frances the Mute」では、より芸術的に暴れています。
THE MARS VOLTAならではの、変○感、チリチリ感、ヒリヒリ感、悲壮感
Jamっぽい先の読めなさ、傍若無人のように見えて確実にリスナーのハートを攻撃してくるところ etcは、もちろんのこと、
今回は、サイケ感、コズミック感、トリップ感、アンビエント感 etcの「静」の部分が、より進化していると思います。
「静」の深淵から、一気に「動」へ噴出する、瞬発力(噴火力?)は、相変わらず凄まじい!!!
各曲とも、すばらしい濃度を誇りますが、
やはり圧巻は、ラストを飾る大作"Cassandra Gemini"だと思います。
このバンドのスケールの大きさを、堪能できると思います。
ドラマ・レベルではなく、恐竜の絶滅ドキュメンタリーのようなスケールの壮大さ。
ゲスト参加は、
Flea (Trumpet on "The Widow" & "Miranda 〜"), John Frusciante (G on "L'Via 〜"),
Larry Harlow (Piano on "L'Via 〜" & "Cassandra Gemini"), Lenny Castro (Percussion) etc
THE MARS VOLTAには、「アート」という言葉が合うと思います。
「人間のわけのわからない感性」で、
バンドは音楽を作り、リスナーは音楽を聴く。。。というのが、正しいスタンスではないでしょうか?
「THE MARS VOLTAファン」は、必携です。
「THE MARS VOLTA初心者」の場合、プログレや変○系に親しんでいる人には、ストレートにオススメしますが、
そうでない人は、1st「De-Loused 〜」から聴いた方が、無難だと思います。
特に、AT THE DRIVE-INを既に聴いている人は、ATDI→1st→コレの順が、入りやすいと思います。
個人的には、THE MARS VOLTAの作品で、イチオシ! 全米4位です!!!
(参考)
日本盤は、DVD付き初回限定エディションがあります。
Noctourniquet
シンプルかつストレートなハードロック、なのだがなのだが、やはり変拍子。それはもうこれでもかと言わんばかりに(やっぱりマーズだ!)
しかしそれでいて感傷的なメロディに彩られた楽曲群はどれもコンパクトに収められ、(こう言うと矛盾しているようですが)とても聴きやすいです。
全体的にロマンチックな雰囲気に浸れます。
余談ですが5曲目のJewelはサマソニ11で披露してくれたときは長く続くインプロビゼーションを交え、暗黒の底の寂滅へとずぶずぶ引きずり込まれるような感覚を味わい、それが今作で短く収録されていたことが意外でした。アルバム全体の完成度を考えての判断でしょう。