俗・さよなら絶望先生 第三集【特装版】 [DVD]
本作品は二期になりその演出手法に嫌悪感を示す声も散見するようになったが
そんなものは織り込み済みだと云わんばかりの動的姿勢が清々しい。
原作は元々圧倒的に言語で魅せる(視覚的にも勿論魅力的)作品なので
昨今顕著な描写や行間を読めないという理解力不足から来る問題が他作品と比較して
少ない事は利点。それだけに原作をそのままなぞっただけであったら
対象者やただテレビを見ている畑違いのクレーマーの餌食になった事は想像に難くない。
(TV放映とDVDで仕様が異なる話があるのも無理もない)
人間批判・社会批判をネタとして成立させる作風は原作で完成しているが
テクスチャー、文字の挿入、レイアウト、カメラワークに特徴のある
シャフト的・新房演出との相乗効果によって本作を他に類を見ないものとしている。
構成の小黒、東両氏の存在も大きい。
中盤を越えこれからも何か奇抜な事をやるだろう、というある種の予定調和を裏切り
アニメの表現手法を惜しみなく披露した第七話「津軽通信教育」。
原作巻末の小ネタ「リリキュア」のストーリー化や第九話の「絶望ファイト」等
パロディも高度に安定していて面白い。
またこの第三集収録ではないが原作最新刊のネタが早くも再現されている。
アニメ制作陣にも看過できなかったであろう「一見の條件」や「痴人のアリ」が。
商業の常として数字が出ても様々な弊害が生じるが、それでもこの作品が受けている
状況に安堵する。絶望の先に微かな光を見た。
マリオネット
俗・さよなら絶望先生の新EDタイトルです。
デガダンな感じのローリーさんの歌は、書生姿の主人公が出てくるアニメにはマッチしていると思うんですけど、絶望先生にしてはものすごく「普通のアニメっぽい」絵にかぶせるとなると詩も含めていろいろと深読みされちゃいそうですね。いや、観た方がいろいろと勝手に深読みしてうんちくたれてほしい作りなんですね。
何にせよポップンロールな良い曲です。
俗・さよなら絶望先生 サウンドトラック
『俗・さよなら絶望先生』での劇伴とOPとEDを収録した全32曲。
収録楽曲を紹介します。
1、俗・メインテーマ(たびたび使われるピアノの物悲しい曲)/2、絶望のメヌエット/3、俗・メインテーマ 歌唱篇/4、舞踏会 絶望篇(7話の実験的アニメで流れた曲)/5、気球旅行/6、ピチカートの舞踏会/7、絶望のメヌエット ヴァイオリン篇/8、効果音 其の壱/9、鳩ピッピ/10、鳩ピッピ ハーモニカ篇/11、放課後の吹奏楽/12、郷愁のリコーダー/13、郷愁のハーモニカ(回想時によく使われる曲)/14、絶望のスカピート/15、絶望クラブ系?(12話でさりげなく流れてた曲。かなりノリが良い)/16、絶望のドレッド/17、効果音 其の弐/18、屯田兵のマーチ/19、ほらっ!ホラー?(殺されそうな先生の逃走時の曲)/20、絶望の沈黙/21、絶望家の一族(11話の犬○家風オープニング)/22、終焉へのボレロ/23、摩天楼25時/24、俗・メインテーマ ヴォーカル篇/25、完璧艦隊の歌/26、絶望先生えかきうた(7話で木津さんと久藤くんが歌った先生のえかき歌)/27、絶望音頭(同じく7話で音頭ってレベルじゃねーぞと音無さんがいった曲)/28、トロイメライ(1話でカフカが歌った歌詞付きフルバージョン)/29、空想ルンバ(テレビサイズ)/30、恋路ロマネクス(テレビサイズ)/31、マリオネット(テレビサイズ)/32、オマモリ(テレビサイズ)。
たぶんメインテーマを聴いただけで引き込まれる!
タイトルに音楽用語が多く使われているのがわかるように今作の音楽はかなり力を入れて作られてます。そして「これって絶望先生のサントラ?」ってぐらいマジな音楽が聴ける。特に本編中でもガンガン響いていたピアノやヴァイオリンの旋律はキレイで印象に残り、とても深い味わいがある。また、本編は1話に3つの話が盛り込まれる構成となっているため音楽の種類が自然と増え、多様な曲がこのサントラになっている。たとえばハーモニカのとてものんきな曲やリコーダーの素朴で癒される曲などタイプも楽器も様々です。個人的に良いと思ったのは「絶望家の一族」。列車に乗って山荘へ向かう糸色先生の姿が浮かびます。それと「オマモリ」を初めて聴きましたが気持ちいいほど明るい曲で驚いた。ちなみに7話の「リリキュアのテーマ」は収録されてないのでご注意。
とにかく本編中ひとつでも気になった曲があればオススメ。
そしてこのサントラを手掛けた長谷川智樹のこだわりを感じる一枚。
TV ANIMATION 【俗・】さよなら絶望先生 絶望案内正本 (KCデラックス)
原作重視な方にはオススメできない。アニメだけだという方向けです。正直いったところ
ほんと些細なことなんですが、キャラの間に於いて風浦可符香がきちんと名前で呼ばれていたり、原作では「くん」表記とすべきところを「君」としていて落胆しました。そこさえなければなぁと思いました。
他の箇所は、アニメファンブックとしては申し分ない出来でした。けれど、やはり久米田先生が描く原作あってのアニメなので気になるところがあっても許せる方のみ読んだほうが宜しいのではないでしょうか?
絶望大殺界
『さよなら絶望先生』に関わる全ての歌モノを収録した全14曲。
傑作アルバムです。
「人として軸がぶれてる」なんて久しぶりに聞いたけど全くそのパワーは衰えてない。その次の「強引niマイYeah〜」はテンションが高くてお気に入りの曲です。
「かげろう」は初めて聴きましたけどタイトルに反してとってもかわいらしい曲ですね。野中さんが歌う恋の唄です。「デッド・ラインダンス、デス」も初めて聴きました。全曲中ノリの良さは一番で、女性ボーカルの見事な掛け合いがスピーディーにされており、とくに「超展開のデッドライン、有頂天カイ?デッドライン」のくだりは秀逸。とにかくハイレベルな唄でした。「オマモリ」は本編の最終回でも流れていましたが、軽いノリなのに歌詞が怖い。楽天的な悪女の唄ってカンジです。
さて「リリキュアGO!GO!」ですが、すごい。なにがすごいかっていかにもヒーローアニメもしくは魔法少女アニメ風の王道な歌詞とメロディで、ちゃんと頭の中でアニメが浮かぶよう作られていると3分25秒の中で感じ取れました。
新録の「ほれっ・ぽい」実は一番好きな唄。
ほれっぽいなんて笑っちゃうような言葉が歌われますが聴くととてもイイ。ほかにもムリっぽいやだめっぽいなどがありますがそれをじつにカッコ良く歌われていて、3人(木津さん・常月さん・小森さん)の重なり合う声がとても爽快!
「はっぴぃ☆なんちゃら」は日塔さん炸裂!
自身をナーミンと歌い上げ彼女の魅力が詰まった唄。なぜか糸色先生の美声も聴けます。
ブックレットには全曲の歌詞が載ってます。
そしてなによりこのラインナップですべての唄を約4分堪能できる贅沢盤だ。
この中の唄で一つでもイイなと感じた人に必聴の一枚。