マリオカートDS (任天堂ゲーム攻略本)
本の構成は、「攻略の基礎」と「コース攻略」の2つの解説部に分けられている。
「攻略の基礎」においては、各アイテムの解説のような初歩的なことから、各
カートの特性の解説、アイテムの出現率、ドリフトやミニターボの操作テクニッ
クなど多岐にわたり解説がされている。説明書にも載っているようなことも重複
しているが、それ以外の部分での資料が豊富に掲載されている。
カートの操作に慣れて、自己流の走りではスコアが伸びにくく壁に当たったと感
じた頃に読んで、スコアアップのヒントになるようにすればよいと思う。
「コース攻略」では、全コースでのベストな走行ライン、ショートカットポイン
ト、どこでドリフト・ミニターボをすればよいかのポイントが事細かく掲載され
ている。
それぞれのコースの特徴を理解した上で、このコースをクリアするにはどのカー
トを使えばよいか作戦を練る、という使い方が出来るので、この攻略本で効果的
にスコアアップをすることが出来る。「マリオカートDS」攻略本はいくつかの
出版社から出ており、この本は値段は張る方であるが、図が明快なため
最も分かりやすく、利用価値は一番高く、お買い得な一冊といえると思う。
大乱闘スマッシュブラザーズDX
任天堂を代表するゲームのキャラクター達を使って、固有の技を駆使することによって得点を稼ぎます。基本は前作と同じですね。
技をぶつけ合い対戦するので格闘ゲームにも見えるのですが、ジャンルは公式ページにもある通り、アクションです。
コマンドが全キャラクター共通でしかも入力も極力分かりやすいものになっているので、初心者でも入りやすかったり、スマブラ自体に慣れさえすれば不慣れなキャラクターでもそこそこ最初から動かせるというメリットがあります。
ハードが64からGCになったこともあり、グラフィックは大幅に向上しています。また、それ以外の面でも大幅にボリュームアップ。
まず、キャラ数が前作12から25に増えました。前作に登場したキャラは全て続投です。ステージ数も同様に29に増量。前作ステージは3つ引き継がれました。
次に一人用モード。前作にもあった勝ち抜き戦は「シンプル」という1モードとして続投され、色々と変更も加えられています。
そしてアクションのようにステージを進み戦闘もこなしつつクリアする「アドベンチャー」、全キャラと「星のカービィSDX格闘王への道」っぽく順番に戦う「オールスター」モードが追加。
一人用やり込み要素の「ターゲットを壊せ!」が続投、「台を乗り継いでいけ」は消滅、代わりに時間内にダメージを与えられるだけ与えて吹っ飛ばす「ホームランコンテスト」、続々と現れるザコ敵を次々と吹っ飛ばす「百人組み手」(内容によってさらに6つのモードに細分化)が追加されました。どちらもやり込みがいがあり、かつ爽快感があります。
さらにお題に即したミッションをこなす「イベント戦」が追加。難易度も様々で、普段の対戦では遊べないような設定も遊べるのでこちらも面白い。「トレーニング」モードも完備。
そして多人数用モード。通常の対戦モードは健在で、さらに細かいルール設定が可能になりました。かなり痒い所まで手が届く仕様になっています。
「最初からダメージが300%蓄積した状態でスタート」「全員巨大化した状態でスタート」などかなり無茶なルール設定で遊べる「スペシャル乱闘」、トーナメント形式など細かい設定で多人数が集まっても遊べる「トーナメント乱闘」が登場。
対戦モード以外のボリュームも充実。特筆すべきはコレクションアイテムの「フィギュア」。個々のフィギュアの完成度が高いうえ、種類も幅広く数も豊富、しかも説明文つきでカメラも自由に動かせるので眺めているだけでも楽しいです。
ボリュームの面だけで語りすぎですが、それぐらい本作には多くの要素が詰め込まれており、しかも詰め込んだだけでなくその1つ1つがしっかり練られているという凄い完成度なのです。
大幅にパワーアップした本作、シリーズ2作目にも関わらず「もうこれ、完成しちゃったんじゃないの?」と言ってしまいたくなるほどの出来栄えです。
スマブラは1対1の真剣勝負をしても面白いし、大人数で賑やかに遊ぶのも面白いゲームです。そして今回、1人でも十分楽しめるだけの要素が盛り込まれました。
ほとんど文句なしの完成度なのですが、強いて挙げるならステージの一部が遊びづらいです。足場が移動するタイプのステージが特にそう。でもステージは選択できるので不満ってほどでもないよなー。
かなり多くの人にオススメできるゲームですが、アクション慣れしていないと、特にやり始めだと動かし方が分からずにしかめっ面を作ることが多々あります。最初はまったりと楽しんでみてください。
BGMは任天堂ゲームの名曲をアレンジしたものなどかなりの名曲揃い。OPムービーもトップレベルの格好良さ。隙なしですな。
スーパーマリオ バランスブロック
甥っ子(5歳)の誕生日プレゼントとして購入。
ゲーム自体は基本のジェンガゲームと変わらないので遊べますが、、、
3歳、5歳、10歳で遊んでいるのを見ていての感想は
・材質がプラスチックで軽いのか、ひとつを抜こうとすると他のも抜けてしまうこと
が多々ある。
・マリオがくっついているスティックがあっという間にマリオの根元から折れてしまった。
・くり坊(?)が小さくて、置きづらそう。
木で出来ているほうが、長く遊べそうかな。。。
とりあえず本人は、欲しかったものが貰えたので満足そうでした。
スーパーマリオ ヨッシーアイランド
主人公がマリオではなくヨッシーなため、特有のアクションを多数持ちます。
「タマゴ投げ」や「ふんばりジャンプ」、「ヒップドロップ」など、以降のシリーズでのヨッシーを特徴づけるアクションが、本作で既に確立しています。
どれも移動に攻撃にと用途が多く使いこなし甲斐があり、またその効果音や攻撃性からとても爽快感のあるもの揃い。
アクションに加えてギミックやアイテムも爽快なものが多く、遊んでいて気持ち良い。ギミックやアイテムは種類も多く、ステージ毎に尖った特徴を持たせています。
操作性の良さとステージの作り込みが噛み合って、飽きずに遊ばせてくれるのが本作の魅力の1つ。
本作は敵にぶつかっても即ミスという事は少なく、カウントが徐々に減っていきそれが0になって初めてミスという扱いになります。
後半になると溶岩やトゲなど即ミスのギミックが増え気が抜けなくなりますが、途中から始められる救済措置もあるためクリアまでならそれほど難易度は高くありません。問題は、やり込み始めてから。
本作は、ステージクリア後にスター・赤コイン・フラワーの3つのアイテムから100点満点で採点が行われ、1つの取り逃しも許されないため難易度がグンと上昇します。
しかも全コースで100点を取るとさらに難易度が高く、濃い内容の「スペシャルコース」が出現し、しかもここも100点満点で採点が行われるという本気仕様。
しかし、この得点は低くてもペナルティはなくクリアに専念しても全く問題ないため、初心者にも上級者にも満足という間口の広さを実現しています。
また、アイテムはステージ中巧みに隠されている事も多いため、捜索に躍起になり、ステージ攻略がますます面白くなるメリットもあります。
ステージ毎に2体のボスがいて、どれも特徴があり別個の攻略法が必要で、大型の敵も多く迫力があり本作の「飽きさせない魅力」に磨きがかかります。
特にラスボス戦はお気に入りで、その攻略の面白さもさることながら本能的な危機感を覚えずにはいられないほどの、圧倒的な緊張感・迫力がありました。
グラフィックとBGMは、他のマリオシリーズにはない独特の雰囲気があり、敵キャラも可愛らしく魅力もたっぷりのゲームです。
1つ1つのステージは内容が濃く、数も6ステージ×9コースの54コースとボリュームも充分。時間制限がないのでじっくり攻略することができます。
褒めすぎなのではと思われるかもしれませんが、それぐらい本作は私にとってお気に入りの傑作です。
思い出のゲームを褒めると「当時にしては凄かったが、今から客観的に評価すると操作性が悪かったりグラフィックに劣ったりする」という反論もあり、確かに頷ける事も多いです。
ですがこのゲームに限ってだけは、今でも本当に傑作レベルの爽快な操作性と雰囲気たっぷりのグラフィックを有していると思うんですよねえ…。
私にとっては既に思いっきり思い入れたっぷりのゲームになってしまっているので、その補正なしに評価できているとは言い切れないのですが…ぜひ遊んで確かめてみて下さい。
若い小説家に宛てた手紙
『緑の家』等で2010年ノーベル文学賞を受賞したペルーの作家、バルガス・リョサの作品です。
本作は全12章から成り、小説家志望の若者から受け取った、創作について教えを乞う旨の手紙に対するリョサの返信という体を取って書かれた、非常に読みやすい文学講義です。
その昔私がまだ駆け出しの甘っちょろい読書戦士だった頃、バーネットだったかポーターだったか忘れましたがとにかくアメリカの女流作家の小説の解説に、作家志望の若者に対する作者の忠告が紹介されていました。その忠告とは、「命を懸けて書くのでなければ、何も書かない方がいい」というものでした。
私はその作家が女性で、作品も明るく優しい前向きな内容のものであったので、作家として生きることへの厳しい覚悟が滲むその言葉を読んだ時に、一流作家の「書くこと」に対する想像以上の真剣さ、厳しい姿勢にひどく驚いて、まさに血をインクにして書いたと言っても過言でない命がけの創作物に対して、読者である自分の態度・認識の甘さ、軽さ、鈍さ、雑さが恥ずかしくなったことを覚えています。
本書第1章で、リョサはやはりその女性作家と同じ事を述べています。本当の作家とは、「生きるために書く」のでなく「書くために生きる」のであると。真の作家は必要とあれば、書くことのため、己の作家としての信念のために、人並みのまた波風の立たない生活を犠牲にする程の覚悟がいるのであると。このことがリョサの考える「作家の最低条件」なのです。
その上で、2章からは、ボルヘスやマルケス、コルタサル、セルバンテスなど主にスペイン・ラテンアメリカ文化圏の作家を引用しながら(ユゴーの『レ・ミゼラブル』やフローべールの『ボヴァリー夫人』も取り上げられますが)、「説得力」「文体」「時間」「語り方。空間」「現実のレヴェル」等、質の高い作品を創作するための技法について語られていきます。リョサの説明は非常に分かりやすく、また具体的でよく納得のいくものです。殆ど創作の基礎を教える教科書のようでした。
文学書からの豊富な引用を読んでいるだけでもとても勉強になり、ラテン・アメリカの名作についての案内書としても非常に有益な本だと思います。解説にはリョサの略伝も載っていて、これまた親切です。
ページ数も多くないですし、少しでもリョサに、または創作に関して興味のあられる方ならまず読んで損のない一冊ではないでしょうか。お勧めです。