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女子の国はいつも内戦 (14歳の世渡り術)
最近、一番気になっている作家の新作ということで購入。
タイトルに惹かれました。
テーマも面白そうだったし、
女子の世界を覗いてみようかと・・・。
エッセイ風ですが、啓蒙本のようでした。
中学生という対象を設定したがために、
批評性というかいつもの視点の尖り方が、若干ぼやけたような印象です。
誘い誘われの裏側など、いつもの毒はきちんと含まれていて、面白かったです。
大人が読んで、楽しめます。
女子のおつき合いの作法、原理、面倒臭さは、
誰でもピンと来るテーマなので、
へー、という感覚で読みました。
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女子校育ち (ちくまプリマー新書)
第一部にある「女子高タイプ別図鑑」がわかりやすいですね。
なめ子氏は「お勉強系」の「女子学院」出身ですが、勉強に
はついていけず、ひたすら自己表現の能力をのばした女子中高
時代だったといいます。
そんななめ子氏が7年を費やして集めたアンケート、マンガ、
対談…がたっぷり詰まった「新書」です。新書も変わったもの
ですね。
日本一頭のいい桜蔭学園の心凍るエピソードに対して、「温室
夢見がち系」中高のお掃除をめぐるシスターとの戦いなどには
なめ子氏の深い愛情を感じます。
我が身を振り返ると「お嬢様系」の中高に通う「夢見がち」な
女学生だった私には男子の視線に耐える力はなかったと断言
できます。
日本中の「夢見がち系」少女のためにも、むやみな共学化は
つつしんでいただきたいと申し上げたいです。
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きょうの猫村さん 1
猫の家政婦・猫村さんの漫画。
なごめる。
癒される。
でもなぜか切ない。
理不尽なことが多い世の中でも、
毎日の「お勤め」を淡々とこなしていく
猫村さんの姿に、一種の尊敬の念を
抱かずにはいられない。
日常に疲れていたら、読むといいかも。
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辛酸なめ子の現代社会学
下ネタも多いのに
なぜか嫌らしい気がしない
育ちがいいんだろうな〜と思います。
コワイことも哀しいことも
力なく笑い飛ばすような作風は
ほんと、クセになる。
一見ぼーっと無害のような作者ですが
するどい視点がまさに毒爪のように読む人の
無意識をかかじる。
これも一種のSMプレイでしょうか。
辛酸なめ子の奴隷になりそうです。