仮面をはずした花嫁 (ハーレクイン・ヒストリカル・ロマンス)
16世紀エリザベス1世の時代。宮廷えの恋物語。
ヒロインの父親は王室祝宴局長官でヒーローは主馬頭代理。
二つとも余りなじみの無い職種ですが、宮廷ではとても地位の高い職業。しかもヒーローは女王の愛人と言われる伯爵の右腕的存在。噂の多いヒーローに目をつけられたヒロインはあの手この手で逃げますが、先を行くヒーローに捕まってばかり。抜け目無いヒーローに脱帽。
そして一番面白かったのは、宮廷の最大の余興であるお芝居。当時は女性が舞台に立てなかったので、女性役は声変わりしていない若い男の子だったのです。俳優一座が宮廷にやってきて演じるのですが、キスシーンも本気でやるのですから笑えます。ヒロインの弟が女優役で白羽の矢に立たされるのですが、やはり本番直前、男同士キスできるか!と嘆いて吐き気を催すシーンは笑えます。そして舞台裏に駆けつけた一般市民の1人にシェイクスピアと名乗る青年が登場します。
馬の百科 (「知」のビジュアル百科)
馬の百科と言うとサラブレッドばかりを
思い浮かべてしまうかもしれませんが、この本は違います。
メインはシャイヤーやポニーなどのいわゆる
働く馬たちなのです。
しかも馬ばかりでなく
馬具や、馬車なんかも出てきて
色々な知的好奇心を存分に刺激してくれます。
英国ロイヤル・バレエ ケネス・マクミランのロミオとジュリエット [VHS]
収録時のアレッサンドラ・フェリの年齢的にも、容姿的にも、もう「ロミオとジュリエット」のジュリエットだーー。と、強烈に印象が残りました。
少女から恋する乙女に変化していくジュリエットを実に生き生きと初々しく演じています。
バルコニーのシーンも、すすすすーーーとサポートされて後方移動(すみません、バレエの専門用語が分からなくて・・)するシーンは、もう夢心地です。
あの大きく見開いて、ロミオが追放された後の朝、神父様のところに行く決意をする表情は、たまりません。
バレエって、言葉のない演劇のような奥深さを感じます。
コールドの人たちのイタリア・ルネッサンスのおでこの広い髪型で、あれは、皆さんどうやっているのかな?と知りたくなりました。
抑えた色調の衣装舞台などとても雰囲気が出ていてでよかったと思いました。
橋を歩いていく (Contemporary Art Book)
先日、新聞の絵本コーナーでミュージシャンの坂本美雨さんが紹介していた作品。
よっぽど変わったものなんだろうなと気になって手にとりました。
変わっているという点では、使っている写真に写っている物があげられる。
舞台は海外が中心で、バルセロナのアパートの間に突如掛けられた木造の橋。
あるいは、パリの教会の中に積み上げられた8000個もの椅子。
カナダでは、壊されたジャズクラブから出た廃材を使い、同じ場所に
骨組を作っている。そんな写真や構想中のドローイングが載っているのだ。
初めはCGで合成したのかなと思ったが、実際にその場所に作られていると
知って驚いた。すべて現代美術家の川俣さんの作品だ。
建物に材木をからませるというインスタレーション作品を長年にわたって
発表しているとのことだ。
それらの記録写真に文章をつけたのが、川俣さんの作品を追い続けている
ジャーナリストの村田さんだ。シンプルな文ながら橋というキーワードで
作品を解説している。といっても説明的ではなく物語的なので読んでいて
心地よい。自分も世界中を旅をしているような気持ちになってくる。
文章そのものが、世界各地のインスタレーションシーンをつなぐ橋と
なっているわけである。そう考えると絵本としては、まっとうで
完成度が高いといえよう。