プロ野球 戦力補強の通信簿 2000-2010
00年代のプロ野球界を球団別に振り返っている。
所々、誤植はあるもののプロ野球ファンには興味深い一冊。
最も印象に残ったのはオリックスの激動の10年だ。
イチロー退団から、契約金ゼロ制度、球団合併、監督の死、清原引退、
そして着々と進行する大阪移転計画。
人間の記憶は曖昧なもので、
実際の記録と自分の思い込んでいた記録が違う箇所も多く勉強になった。
プロ野球に少しでも興味のある人なら、値段以上の価値はある一冊だ。
野球にときめいて―王貞治、半生を語る
ドラゴンズファンである。しかし、王選手だけは常に別格である。自身の素晴らしく、輝かしい記録や生き方をよくもこれだけ謙虚に書かれたものだと敬服せざるを得ない。野球の神様はやはりいらっしゃるのだと私も思う。これだけの方を日本の野球界に送ってくださったのだから。
王選手の現役時代の記憶は実はかなり後半になってから。小学生当時は、756本という中途半端な数字がなぜ、そんなに注目されるのかよくわからなかったが。当時は、試合数が何試合とかも知らなかったし、野球が仕事になることの大変さも全くわからなかったし。確かに、ホームラン30本で引退されたのはあまりにも惜しかったなと、今の感覚で言うとそう思う。868本のホームラン。1年40本としても20年以上、とよくファン同士語るのだが、「1年に40本っていう前提自体、すごいよね」とお互いに笑う。
監督としては、ジャイアンツよりもホークス、ソフトバンクでのイメージがすっかり板についている。あの「生卵事件」についてもふれ、「自分たちが勝てば、こんなことはされないんだ」と選手に語ったというくだり・・。読んでいて、涙が出そうでした。
WBCの初王者になったことでイチロー選手の素晴らしさを書いています。もし、この二人が選手で日本チームにいたら。もし、王さんが現役のときにメジャーに行けていたら。いや、もしもう3年、現役が続いていたら。いろいろなことを読みながら考えてしまいます。「持ってる」という一言で言うには、あまりに偉大な野球人。
自分は野球人ではありませんが、生き方や考え方は真似したくなる方です。
動じない。
理論派の広岡氏、言わずとしれた王氏、そして、野球はあまり詳しくないにも関わらず、気の原理をベースにドジャースの指導をしている藤平氏。王氏の一本足打法は、藤平氏のお父さんである光一氏の指導もあってできあがったそうです。 この本は、一本足打法がいかにしてできあがったのか、そして、王氏の凄まじい努力の結果、力を抜く境地に至った理由が3人の対談形式で書かれています。 ○力の使い方というのは、力の込め方ではなく力の抜き方を考えることだ。 ○それが無意識でできるようになるまで、正しい練習を繰り返すことだ。 これらの教えは、単なる運動理論にとどまらず、生き方にも当てはまります。 その根底にある藤平氏の気の教えの解説もすごく分かりやすいです。(気と言うと、なんだかあやしいと思う方もいるかもしれませんが、この場合の気とは、気を使うとかやる気をだすなど、そういった意味で我々が日常から大切にしている気だと思って頂ければ良いと思います) すべての人におすすめできる一冊です。私にとっては何度も読み返したい数少ない一冊となりそうです。
王選手コーチ日誌 1962-1969 一本足打法誕生の極意
荒川コーチの合気道−野球理論が興味深い。「構え」がよければ,バットはボールに勝手に当たってくれる。そこまで行かねば,達人とはいえないのであった。出来事は後ろ向きにしか語れないとしても,「王よ,それでは一流になれんぞ」という言葉が存在しえたという事実もまた,ある意味おもしろい。人間は誰もが誘惑に負けるときがあることを学んだ。