古代エジプト入門 (岩波ジュニア新書)
ジュニア文庫って、中高生向けってことですか?
と、とんでもない!
いえ、本気でエジプト学をやろうというのなら、このくらい「中高生の入門」レベルかもしれませんが、
ちょっと好き、興味ある、軽く好奇心を満たす、程度の内容ではありません。
ティーンの棚にあったので、つい甘く見て後悔。同時に、出会いに感謝!
古代エジプトの、文明の起こりとその要因から始まり、
初期王朝時代の政治体制、古王国時代への移り変わりと、ピラミッドなど宗教建造物の特徴、そして第一中間期への移行とその原因、そこから生まれた価値観。
中王国時代の成立、その特色。歴史の流れ、文化の発達、第二中間期の混乱の中で育まれた新しい文化、その発展、そして輝かしい新王国時代の、諸王の活躍、遠征の様子など――。
プトレマイオス期の終わり、つまり、「古代エジプト文明」の終焉といえる部分までを、時間の流れに沿って、丁寧に説明してあります。
言葉は分かりやすく、一方的ではないが、いま定説とされるものを基本に、時に異論も紹介しながら丁寧に解説されています。そのため、余計なものもなく、心地よく学ぶことができます。
そう、書いてある事は確かに、基本なんです。
が、基本を、古代エジプトの歴史をはじめから通して、偏りなく、堅実に紹介してくれる本は、そんなに多くありません。
読んで、説明不足とは感じませんが、さらに深く知りたいという衝動に駆られる方も少なくないはず。それだけ、全体の様子がしっかりと、しかし魅力いっぱいに書かれています。
著者は最近、多くの良質な古代エジプト関連の本を翻訳されており、
どれも堅実で、無駄なく、学ぶのに最適と感じます。
「おわりに」に著者の挙げられている参考図書については、
本屋か図書館で見つけることができ、日本語で古代エジプトを学ぶための、基本を教える、または深く掘り下げてくれるようなものばかりで、
とても親切に感じました。
ピラミッドが好きな方も、歴史が好きな方も、新王国時代の王が、諸外国との関係に、文化の変化、価値観の変化……どれに興味がある方にも、お勧めできます。
流れを描き、それぞれの理由や意義を考えさせる、素晴らしい一冊です。
古代エジプトうんちく図鑑
私はエジプト自体には興味が全くありませんが
遺跡には興味があったので買いました
神話も好きな私はへぇ〜と感心しながらどんどん読み進めてしまいました
エジプトの王家の遺品に興味がある方
王家自体に興味がある方なら目を通して損はないと思います
もちろんエジプト通の方にもおもしろく読み進めることができる一冊だと思います