タイトルを見て、「ああ、自分も下戸だったんだよなぁ」って思い出して買いました。加藤鷹さんも下戸らしいんだけど(それにもビックリ!)、そのインタビューの内容が結構かっこよかったな。「酒を飲ませるのも甘え、酒を拒絶するのも甘え」っていうのは、かっこいい発言だと思った。インタビューあり、偉人下戸の紹介あり、と盛りだくさんで楽しかったです。
お酒が飲めなかった(飲まなかった)歴史上の人物を集めています。
中身については江戸期以前の人物はデータがあまり具体的でなく、飲めなかった(飲まなかった)といってもいまひとつ迫力を感じませんが、歴史も西郷隆盛あたりになると信憑性を感じます。その西郷や山本五十六あたりはどこかで飲めなかった、というのは読んだことはありますが、明治維新期でも大久保利通、大山巌、さらに高島 鞆之助や篠原国幹、村田新八あたりまで飲めなかったというのは薩摩藩のイメージと相当かけ離れていてなかなか面白いものがありました。そう言えば、高島 鞆之助は侍従をしていたころ、宮廷の女官に散々いじめられて相当辛い経験をしたらしく「あの頃のことを思えば何でもできる」と言っていたと司馬遼太郎氏が「飛ぶが如く」で書いていましたが、お酒でも苦労していたのですね(本書を読むと、酒豪の明治天皇の相手が大変だったらしい)。
河野一郎のようにソ連で、無理強いをさせられブランデーでぶっ倒れるなどお酒の飲めない人は、やっぱり大変だなと思う反面、あまり強くない私のような人間にはそれでも事はなされたのだ、と多少心を強くできることがあるのかもしれません。
タイトルから連想して小学年向けのファンタジー作品と思われているのが、少し残念な気がする。 設定は、現実離しているけど、ストリー展開はとても論理的で読んだ後は、頭が良くなった気がする。 語り手と同時進行で考える推理の面白さがある。 化け猫を登場させたのは、多分作者は、余程のアイデアマンで人間の事件だけでは簡単すぎてもの足りなかったのでしょう。 一度小説の世界に入ってください。特に三途川探偵が登場してから話は盛り上がりますよ。言葉で表わせない劇場感があります。 最後に、私は作者からは一切頼まれてません。桜でもありません。
辻原登氏の「超然とはパッション(受苦)である」はまさに言い得て妙ですが、 この本に収められた3篇の小説の超然は、それぞれ色合が違います。
「妻の超然」の超然は、夫との共犯関係に成り立つ超然で、形を変えた甘やかし(母性)です。苦しくても、ぬくぬくと居心地のいい超然であります。だから変化を望まない。あんまり居心地が良すぎて、妻は自分の心に湧く自然な感情を素直に認めることも出来なくなっています。ああ、おそろしい。
「下戸の超然」 小説としては三篇の中で一番出来がいいのじゃないかしらん。普通の勤め人を上手に描けるのは、著者が普通の勤め人だったからです。(逆は真にあらず)ここでの超然は結果としての超然で、超然としているらしい本人は、己の嗜好と感性(というよりコモンセンス)に素直で、他人との違いをあまり深刻に気にしないのですが、日本社会ではそれが時として生き難かったりするみたいです。でも、たいした生き難さではありません。異教徒・異文化錯綜して緊張を強いられる社会からしたら、ちょろいもんじゃないでしょうか。恋愛が始まってそして終わる、そんな小説としても、達者に描かれていると思います。ただし、男がちと幼い。女ってバカ、と見下していれば、別れずにすんだかも。
「作家の超然」は、ほんとうは荒削りな作品なのに(作品の出来が荒削りなのではありません)、りっぱ過ぎる感慨でまとめるのは、ちょっと尚早のような気がします。超然は、ここでは作家の希求するものです。でも、色気も食い気もまだまだありそうな女性作家なのだから、超然なんて考えずに当分は煩悩に塗れたままの方がいいと思いまーす。私小説ではないけれど、今一度、己の立ち位置を確認するような作品です。行く手に幸あれ。
糸山作品には大好きなものが何篇かあるので、ここはあえて辛口に、星三つ。
「東京事変」というラベルで売り出すのなら、こういうアルバムを出して欲しかった。
というわけで、期待通りです。
私は「椎名林檎」時代からの一ファンであるのですが、「東京事変」に「椎名林檎」色の強い物はあまり求めていませんでした。
もし求めるのであらば、ソロ時代の曲を聴き起こせば良いのだし。
なので、1stも2ndもあまり満足出来なかったのですが、このアルバムは何度も聞き返してしまうほど気に入りました。
折角素晴らしいメンバーを集めて「東京事変」を謳っているのですから、「椎名林檎」オンリーではなく、メンバー全てを融合した結果を私は求めていました。その要求にぴったり当て嵌まる形のアルバムだと感じました。
今までの魅力はアレンジのみにあった気がしますが、(アレンジは物凄いので)それでは「椎名林檎とその仲間達」で終わってしまう気がして少し悲しく感じていました。
今回の娯楽(バラエティ)では伊澤さんと亀田さんの曲はまさに「椎名林檎」の歌声に合わせたような曲でしたし、逆に浮雲さんの不可思議な曲も林檎さんはきちんと歌いこなしていました。3人での掛け合いも、2人でデュエットしていた曲も、私には心地良い素敵な曲だと思いました。
お互いがお互いを知り、それの上に成り立つ「バンド」という形式に折角あるのですから、こういうアルバムが出来て私は本当に嬉しいです。
あまり「椎名林檎」という先入観に捉われては、楽しめないのではないでしょうか?
しかし私も「椎名林檎」ファンの端くれ。一二曲は椎名さんの書いた曲が聞きたかったです。少し毒のあるような。あの感じが恋しいのも本音です…笑
欲を言えば、アルバムの並びも凄く気になります…。そこが完璧であらば、私の満足度は最頂点にあったでしょう。
ですがしかし、この点を取っても私は☆5つにしたいと思うくらいに、素晴らしいアルバムであると評価させていただきます。
次回のアルバムに対する期待が高まる一方です。今度は刄田さんにもなにかしら曲を手がけてほしいものです。(笑)
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