小説に転向し、川端康成文学賞を受賞して以来、久しく、著者の詩を雑誌等で、見かけなくなった。
そんなとき、本書が刊行された。タイトルの『コルカタ』はインドの街の名称。旧称カルカッタである。
ベンツが走る公道に、牛や豚が同居し、様々な人種が蔓延る、混沌の土地である。
著者は、2週間、そのコルカタに滞在し、本来、言葉にならない稀有な体験をしてきたようである。
あとがきに依れば、その体験を核に、著者は毎朝一篇、本書に所収された詩を執筆したとのこと。
その為か、極めて即興的な趣きの強い詩集が生まれた。擬態語を多用した即興詩の妙なる響き!
土地の名を冠した詩集と言えば、飯島耕一の『バルセロナ』『宮古』、あるいは、詩集ではないが、
金子光晴の傑作紀行『マレー蘭印紀行』などの、先人の錚々たる作品が想起されるが、
本書も、紀行文としても読むことができる、著者の新境地を示す渾身の詩集である。
たとえば、こんな一節「もし わたしが 怒りを妊娠したら いつか みずみずしい 真っ赤な
スイカを産むだろう 股のあいだを血で染めながら」(「怒る女」より抜粋)。
もし、これらの詩篇を朗読するなら、フリー・ジャズとのコラボレーションが好ましいかもしれない。
インド全域は必要なかったのですが,他に最新情報がなかったので購入しました. インドは欧米とは勝手が違うので,旅行中,お守り的に終始持ち歩いて参照しました. ビザについて,あまり書いていないと思いますが,実際はビザ取得が結構面倒で,時間もかかるのでそこにページを割いて,詳しく書いてくれるともっとよかったと思います.
コルタカ(カルカッタ)に11年前に旅行した時、インド人にタイトルの言葉で誘われました。
そう、売春宿のお誘いです。
残念ながら、興味が無かったので誘いは、断りました。
映画での子供達の写真は、必見です。
そして、写真家の女性の「なんとか、子供達を救いたい」という気持ちが
ひしひしと伝わります。
世の中は、不条理なこともありますが、この映画は、けして暗い映画ではありません。
ぜひ、ご覧になって下さい。
カルカッタの赤線地帯で生活するこどもたちを描いたドキュメンタリーです。こどもたちはアメリカの女性写真家にカメラを渡され、多くの写真を撮り、展覧会が開かれるに至り世界中の衆目を集めます。件の女性写真家はこどもたちの惨状を見かね、まずは学校に行かせるためにとあらゆる方策を尽くし、何人かは実際に入学までこぎ着けるのですが、「アメリカン・グラフィティ」のようにエンドロールで流される後日譚では、結局かれらのほとんどが元の生活に戻ったことが語られます。こう書くと、なんだかいろいろなことの無力さばかりが際だつようですが、こういった試みはたった一人でもこどもを救うことに寄与できれば決して無意味ではないと思うので、これはこれでなかなか厳しい現実ではありますが、したたかとは無縁に終始笑顔でい続けるこどもたちに、なぜだか励まされる作品でした。
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