BGMとしてもすばらしいです。作風が重複しておらず、盛り上がりのポイントがうまい。そんな曲の大群がこの一枚に詰まっているんですから、必ず一曲はツボにはまるものがあるでしょう。十二国記ファンのみならず中華音楽が好きな方も必見、珠玉の一枚です。
中嶋陽子は、ごく普通の女子高生だった。 クラスでは推薦されて委員長をやっていた。勉強も真面目にやった。 親の言うことはなんでも聞き、友だちから頼まれれば断ることが出来ない。 誰にとっても『いい子』だった。 彼女の髪は赤かった。先生や、友だちのはずのクラスメイトでさえも 「遊んでいる」「陰で何をしているかわかったもんじゃない」などと言っていた。 『偽善者』めいた陽子のことを疎ましく思っていた人間も多くいた。 そんな陽子に、ある日「あちら」の世界から迎えが来た。 能面のような顔をした男。男は陽子を主と呼んだ。 長い金の髪をしたその男は、ケイキと名乗った。 それは、突然だった。陽子の都合も意志も全く構わずに― といった感じで始まる主人公の長い苦難の物語。 陽子は男(=ケイキ)によって十二国の世界へと喚ばれることになります。 話が進むにつれ、ケイキの正体も明らかになるわけですが…。 「あちら」=十二国の世界へと渡ってからの陽子の苦難。 思わず先を読みたくなる展開、読者を喜ばせる結末。 本当に語りたいことは語れませんが、とても面白い小説だと思います。 全く知らない世界でわけのわからないまま命を狙われ、飢餓に苦しみ、裏切りを受け、 主人公の心は大きく揺れ動くことになるのですが、その辺りの心理描写の巧みさには脱帽しました。 裏切られ裏切られ、それを乗り越え成長していく主人公の強さ、また所々に見られる人間らしさに共感を覚えました。 ありきたりのお話に飽きた方も、ファンタジー小説に抵抗のある方も、騙されたと思って、是非一度手にとって読んで見て下さい。
「月の影」で王として国を背負うことを覚悟した陽子が、王としていかに国を治めるか、に苦悩し、それを乗り越える過程を描いた本作。テーマは「どん底からの成長」です。 物語の始め、陽子は再び顔色を窺う気弱に自分に気付き、民の為の王の姿を学ぼうと老師に教えを請いに街に降ります。 と、同時進行で、鈴と祥瓊という二人の少女の視点でも物語は語られます。 自分が可哀相で仕方ない鈴。華美な生活が忘れられず、逆恨みの権化と化した祥瓊。どちらも始めはどうしようもない自己愛者ですが、清秀、楽俊との旅を経てそれぞれ劇的に変化します。後に、陽子、鈴、祥瓊は邂逅することになるのですが、そこは何度見ても奮えます。 ちなみに、三人のこの後は小説「黄昏の岸」で描かれますので、のめり込んだ方にはそちらもオススメします。泰麒と陽子の出会いもありますし。
胡弓のあの色っぽくて艶っぽい音色が、梁邦彦さんの珠玉の音楽で奏でられています。胸に染み入ります。悲しい時とか気分が塞いでいる時は、心を癒してくれて、私が大好きな音楽CDの一つなのです。聴けば十二国記の壮大な物語を垣間見られるでしょう。十二国記を知らない人も、梁邦彦さんの曲を初めて聴く人も、是非是非一度でも耳にしてみては如何でしょうか?お勧めです!!(^-^*)
十二国記の中で一番好きな作品です。 今回は恭国の珠晶が女王になるまでのお話。 先に「風の万里~」を読んであるとなるほどね、と思えておもしろいです。 12歳とは思えない珠晶の強さと内に抱える熱い思いが伝わってきます。 恭を愛さずにはいられなくなる作品です。
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