お水取り 東大寺修二会、卒業制作にと数年間二月堂に通わせたいただきました。試別家・総別家・本行・後行、と参籠衆の方々の表情を捉えるのが大変でした。又1200余年と続いている大行事、中々奥深いものを感じておりました。又、堂子の方々との大松明の竹の運び出し、大篭松明作り、お供えのお餅つき、仲間さんとの会話へと思い浮かびました。 声明を唱えているのを聞き練行衆の方々のお顔が見え、又沓の音が懐かしく今何処を歩いているか、どのような所作か、何方が唱えているか、と次の節が思い浮かびました。何せ灯明の光のみの暗い本堂の中で物音も立てず潜んでおりましたので声明の流れは頭に入ってきておりました。その頃ちょうどどこかの方が録音されているのを見ており、これらの行を録音するのは大変であろうと思いました。今回その録音をしておられた時期昭和47年当時ということで購入いたしました。練行衆の方々のお名前も懐かしゅうございます。CDを聞き場面が浮かぶ臨場感溢れる録音がされています。色々とその録音を探しておりましたが丁度見つけることができ喜んでおります。 その後、私たちは奈良NHK放送局さんにも取れ上げていただき放送していただきました。又展覧会も2回行なわしていただきました。 今回購入でき大変良かったです。
友人が東大寺のお水取りに行ったときのこと、交通機関の遅れで行事には間に合わなかったそうです。が、観光客の波が引いた後、僧侶たちによる読経がはじまり、せっかく来たのだからと、それを聞いていたら、もう全身がしびれるほど感動的だった。そんな話を聞いていたので購入しましたが、うーん、なるほどと納得。癒し系などと称している音楽が「卑し」く思われるほどでした。 理趣経が入っていたのが意外でしたが、そういえば弘法大師は当時時代遅れになりかけていた南都仏教を救うため、東大寺の別当を引き受けていたのでした。以来、千三百年ちかく、金剛峰寺同様、理趣経が受け継がれていたわけで、この発見にも感動しました。 高野山・金剛峰寺の声明もおすすめです。
ものすごーく久しぶりに奈良を旅行するにあたり,少し予習をしようと思って読みました。 写真が多く,薄いので,さくさくと読めました。 歴史や年中行事の説明だけでなく,お勧めの散策経路なども入っていて, 楽しく東大寺巡りができましたよ。 本格的になりすぎず,でも,ガイドブックを超える予習をしたい方によいと思います。
東京美術のもっと知りたいシリーズはお気に入りです。オールカラーですし、分かりやすく丁寧な解説、ビジュアル的な質の高さを感じられる編集だと評価しています。そこに今回『東大寺の歴史』が加わりました。 奈良と言えば東大寺でしょうか。日本各地だけでなく、世界各国から多くの観光客が訪れる有名寺院ですが、本書でその歴史と美術品の数々をしっかりと理解できる編集になっています。 美術書ではなく歴史書ですが、東大寺が誇る見事な文化財群が掲載してあり詳しく紹介してあるわけですから、眺めているだけで日本仏教美術の流れをたどるような感覚に襲われます。
22ページには「大仏ができるまで」が図解入りで解説してありましたし、31ページには再建されるたびに少しずつ小さくなっていく大仏殿の比較が掲載してありました。天平の創建時は実に巨大なものでした。 正倉院所蔵の螺鈿紫檀五絃琵琶の名品の紹介や、運慶・快慶作と言われている南大門の金剛力士立像が見開きで迫力ある姿を披露しています。見事な彫刻ですし、まさしく傑作の名にふさわしい迫力です。
著者は、東大寺執事長・東大寺上院院主・東大寺福祉事業団理事長の筒井 寛昭氏、東大寺総合文化センター東大寺ミュージアム館長の梶谷 亮治氏、東大寺図書館員・東大寺史研究所研究員の坂東 俊彦氏です。執筆陣に相応しい陣容でした。
本書の内容です。東大寺とその周辺 プロローグ 東大寺前史(華厳経の教えとは? 絵解き東大寺縁起 大仏のできるまで) コラム 東大寺要録─東大寺1250年の歴史を伝える寺誌 第1章 大仏開眼(奈良時代)(記録から見る奈良時代の落慶法要、大仏と大仏殿、二月堂の建築、特集 修二会の始まり/修二会という行事、鑑真からの授戒と戒壇院の創建、奈良時代の文化財、聖武天皇の崩御〜光明皇后と正倉院 正倉院所蔵のゆかりの品々) コラム 再建とともに小さくなっていった大仏殿 練行衆とは 東大寺こぼれ話 青衣の女人 第2章 八宗兼学の学問の寺・南都焼き討ち(平安時代)(東大寺にゆかりの僧 空海・聖宝、東大寺の荘園経営と伽藍の維持管理、平安時代の文化財、治承の兵火と大仏修復、東大寺こぼれ話 二つの大仏縁起) 第3章 大仏殿炎上と復興(鎌倉〜江戸時代)(鎌倉時代の再建、重源の構想、鎌倉〜江戸時代の文化財、教学の復興─東大寺の学僧 円照・宗性・凝然、特集 東大寺の年中行事、室町時代の東大寺、永禄の炎上─戦国時代、東大寺の江戸復興、大仏殿落慶供養) コラム 台風・地震の揺れに強い大仏様の採用 エピローグ 守り伝えられる東大寺の心と文化 コラム 東大寺図書館 東大寺略年表、参考文献、東大寺所蔵文化財関連索引 (東大寺人物伝 良弁、鑑真、実忠、空海、聖宝、重源 謎の前半生、栄西、円照、凝然、 公慶 江戸復興の立役者)
出色のできばえ。 大林宣彦監督による尾道三部作が知られますが、 そのカメラ監督による作品です。
ドキュメンタリー映画賞を受賞すべきです。
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