主人公が弱いという意見があったので、あえて記載しましょう。 指輪物語の主人公は、恐らくこの物語の中で最強に近い人物です。 確かに彼は剣がうまくありませんし、魔法も使えません。大食いでビールとパイプが好きで、楽観的です。弓を引くにも彼らホビットは小さすぎます。 でも、彼はボロミアを誘惑し、ガンダルフを困惑させ、エルフの長も、実の叔父(偉大なる冒険者)までもを魅了した「1つの指輪」に最後まで抵抗し続ける、大変「強い」人物なのです。 観客席の皆さんの中には、シュワルツネガーの様に主人公が暴れなければ納得できない向きもありましょう。しかし、人間の本質的な「強さ」と言うのは腕力や生来の特質に左右される物ではなく、己の心に起因するものなのです。幾ら腕力に優れていても…権力を握っていても…それに溺れてしまうのは弱い人間です。 なぜこの物語が名作として尊ばれ、今の世に残っているのか…それを考えて最終章までご覧になって下さい。
特典DISCがDVDなのはUS盤と同じなんですが、価格がUS盤の定価が$120なのに対し日本盤が\28350はぼったくり過ぎかと思います。 考えものですね。
物語を読みながらこの本の地図を一緒に見ると、旅の仲間たちが「今、ここにいるのだ。」ということが良く分かります。
指輪ファンには是非お勧めの1冊です。
第二部を映画で見て、「思ったよりも第一部で使われたモチーフが少ないな」と思った。第一部で印象に残るモチーフも少しずつ形を変えて出てきているが、全く同じ曲はないのである。期待以上に音楽もパワーアップしているのだ。 第一部に比べると、今回は全体に「勇壮」「荘重」という表現ができるかもしれない。第一部とのつながりを感じさせながらも、序章であった第一部よりもさらに緊迫感溢れ、迫力が増し、根源的な問いを投げかけてくる第二部に相応しい。 最も印象的なのは「ローハンのテーマ」ともいうべき力強く重々しいモチーフだろう(3.ローハンの騎士たち、5.黄金館の王、15.角笛城、17.アイゼンガルドへの道などで用いられている)。荒涼とした大地に建つローハンの首都、黄金館、その中世北欧風のたたずまいや誇り高い騎士たちに、そして“伝説”を自らの手で作り上げたトールキンの世界観にもこれ以上ないほどピッタリだ。 また、ヘルム峡谷にエルフの援軍が現れるシーンでは、第一部での「ロスロリアンのテーマ」の“勇壮バージョン”が流れる(15.角笛城の一部)など、第一部とのつながりもしっかりわかる(実際に映画で見ると特に)。 このように、新しいモチーフと、第一部の旋律を生かした勇壮な曲に、第一部でもおなじみのメイン・テーマがからんで、映画の感動をいや増す。 ヴォーカルも前回とはまた少し違った緊張感、せつなさをオーケストレーションの中で効果的に表現している。 映画を観ていても本当に各テーマがシーンにピッタリだと思うし、またサントラを聴いていても映画のシーンがそのままよみがえる、正に理想的なスコアであるといえよう。もちろん、今回も、DVDが出るまでのつなぎとしてもうってつけだ。
J.R.R.トールキン作、英国の宝と言える傑作。古典中の古典であり、ほぼ全てのファンタジーに影響を与えた不朽の名作です。英国では、トールキアンと呼ばれる熱狂的なファンが存在し、余りに偉大過ぎるため、映画化が非常に難航、また、「映画に出演させて欲しい!」との俳優からのオファーが殺到しました。教養として必須。 作者であるトールキンはオックスフォード大学の言語学の教授であったため、言語を中心とした舞台設定は緻密の一言。そのため、「ホビット」・「シルマリル」等の同じ世界の中の前史も書かれています。 物語は、平和を愛する小人(ホビット)の一族のフロドが、敬愛する先達ビルボの因縁に巻き込まれ、長い旅に出る...というものです。その旅には、美しく長命のエルフ・短躯で髭面のドワーフ・謎めいた魔法使い・樹木の妖精エント・醜い怪物・闇のバルログ等、正に、ファンタジーの王道(と言うか、他の作品がこの作品の真似をした)のオールスターキャストが生き生きとして、待ち構えています。 しかし、実際に読むと、舞台の完成度が高過ぎるために設定の説明等に時間がかかり、正直、辛抱が必要です。ですから、映画を先に見た方がいいかもしれません。ただ、ラストのフロドの心理は、ずっと丁寧に描かれた小説をお奨め致します。 同じファンタジーでも、「ハリー・ポッター」等とは、温度差がありますので、要注意。
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