短編集。本書に限らず著者の描く恋人達はいつも悲劇的な末路を辿る。ハッピーエンドの物語なんて私の記憶には無い。多くは殺人により絶命する。ところが本書は推理小説ではない。その点で本書で描かれる悲劇はより残酷だ。しかも献身的に親身になってくれた何の罪も無い人間が凄惨な最期を遂げたりする。それらが著者独特の軽妙なタッチで描かれるので余計遣り切れない。
表題作「さよならをもう一度」では、じらせたあげくプロポーズを受ける言葉を準備しているところに、恋人の交通事故死の連絡が入る。事故現場の凄惨さが生々しく描写されている。一連の事を後悔して神父に相談に行った。親身になってくれて、心配して様子を見に来てくれたその神父までが交通事故の犠牲に、、、。
物語の展開が軽妙なので、下手をすると読み飛ばしてしまう場合すらある。実は一字一句が残酷だ。
彼の音楽を以前きいて、良い印象を持った、といっていた友人にプレゼントしました。 休みの日にゆっくり聞くのが楽しみで、心が伸びやかになると好評でした。
都合のいい女の末路を描いたけっこうキツイ映画。
相変わらずイングリットバーグマンは美しく、その美しさを生かす脳を持ち合わせていない悲しい女を見事に演じている。
自分が若かった頃、何一つうまくいかなかった女に限って若い男を「若い」という理由で遠ざける。 25歳のご令息役のこの役は非常にいい役で、これだけのガッツと体当たりをしっかりできる男はしっかりフラれる事によって成長する。
「都合のいい女」をわざと探して結婚相手に選らぶ、という男がこの世には幾らでも存在する。 が、そこにすらたどり着けない女は自分の不満を相手にぶつけられず己で自己完結させて納得しているふりをしてしまう。 そんな女を一生の伴侶にしようとする男などいないことを理解できないまま年をとる。 そしてやっとたどり着いたゴールには期待していたものなど何もないことに気付く。
半世紀経とうがこういうタイプの女のひな型は現代となんら変わらないことがわかって勉強になります。
悲愴感漂う顔つきで化粧を落とすラストシーンで「そんなんやったら私だって謳歌したるわい」という決意を固めてくれていることを祈りました。 が、それが出来ないからこんな人生になるんですよねぇ。
主人公のポールが雨の中、はじめて年下の恋人に街頭で抱きしめられるシーン。 彼のツイードの上着と首筋の匂い。雨の音・・・この綺麗なエロティシズムが忘れられない。 結局、若く情熱的な恋人より、昔なじみのつれない中年男を選んだポールは、 その後幸せだったのでしょうか? そして捨てられた美青年は、その後どんな女性と恋をしたのでしょうか? 自分が大人になってくるにつれ、この切なさはちょっと痛いくらいです
ミュージッククリップ集なのですが、一曲一曲のドラマが本当にすごく良く、かなり長めに丁寧に作られているので、一曲聞き終えた時点で映画を一本見終えたような感動と余韻に浸れます。セリフはほとんどないのに、観ているだけでストーリーがとてもよく分かる作りになっているのは、さすがです。 これより後に作られらクォン・サンウ主演の『クリーナー プロジェクトX』。あれも音楽と映像を融合させた画期的な作品と謳われましたが、観ていて物語がよく分かり少しも飽きさせないという点では、こちらの『追憶』のほうがよく出来ていると、個人的には思います。 このクリップ集のすごい所は、なんといっても出演している俳優の層の厚さでしょうね。ドラマや映画で観た事のある若手の俳優さんが数多く出演していて、その華やかなことといったら!ここでは、映画ではなかなか共演しないような男優女優が思いがけずカップルを演じていて「えっ、あの人とこの人がキスシーンを?!」なんて楽しいサプライズもあったりします。 そして、舞台を日本の北海道や香港、アメリカなどに設定した物語ではそれぞれ海外ロケを敢行していて、スケールが大きい!本当に映画のようです。 ドラマの内容としては、幼い頃に別れた幼なじみとの再会、交通事故、病気、記憶喪失‥など韓国映画お決まりの似たようなシチュエーションが多いのですが、一つ一つの完成度が高い作品群なので、これは一本ずつ大切に丁寧に観るべき価値、大です。 余談ですが、字幕に日本語だけではなくハングル表記やその読み方、英語や中国語(しかもちゃんと簡体字)までもがあるところが、語学学習者にとって非常に有り難い、親切な商品となっています。
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