パッケージの裏面に「このソフトは上巻だけでもお楽しみいただけます」のようなことが書いてあるがそんなことはありません。このソフトは文字通り上巻にすぎず、大量の謎が残されたままで下巻に続きます。 ストーリー・グラフィックとも十分な内容なので、ぜひ下巻と購入しましょう。 このゲームには、バッドエンディングも含めて20種類ほどの結末がありますが、登場人物の「瑠璃亜」と迎えるエンディングは涙ものです。 絶対続きが見たくなりますよ。 ただ、ゲームの難度が高く、自力クリアがほぼ不可能ということで、星四つにしました。このゲームを楽しむにはネット環境必須です。
非常にゴージャスな映像美を堪能できる作品。 美術、アクションともにリアルかつダークで、作品 の世界観を余すところなく表現している。 一方で、ストーリー的にはプロローグ程度の内容。 48分の中編だ。 主人公小夜の硬質なデザイン(キツい目、厚い唇)、 ホラームービー的な展開、ウェットな情緒を廃した (というか、割と内容の薄い)ストーリー、など、 まさに「アメリカのオタク向け」という印象が強い。 タランティーノが絶賛し、自作に取り入れたのも、 当然、と言ったところか。 「学生服姿の少女が、日本刀を振るう」というイメ ージは、日本の漫画・アニメでは散々やり尽くされ たものだが、海外の人には新鮮に映ったことだろう。 1話完結のTVアニメにこそ、 向いたプロットであると思う。 テレビ化で良い方向に化けた「攻殻機動隊」の例も あり、Production I.G.には、ぜひともテレビ化を 成し遂げて頂きたい。 また、横田基地という舞台、協力者である「組織」 がアメリカ系である事から、日本語でも英語でも 「演技」が出来る工藤夕貴の存在は欠かせない。 小夜役は是非彼女のままで、と強く願う次第だ。
この小説は誰にでもお勧め出来るものではないと思う。但し、ある特殊な人には素晴らしい存在となり得る小説である。
この小説は、電脳空間アヴァロンを舞台とした体感型ゲームを中心として構成された小説である。押井守氏の理想のRPGだという銃弾と硝煙に塗れた電脳空間の戦場と、そこにアクセスしなければ何も救いがない様な薄汚れた現実を舞台とする物語は映画と共通するが、キャラクターもストーリーも映画版よりも魅力的だ。特に映画版では触れられなかった、ウィザードリィをオマージュした職業・能力システムが電脳世界での戦闘をよりリアルにしている。ゲーム好きには堪らない作りだ。また、この電脳空間アヴァロンは極めて魅力的。ゲームをモチーフとした小説の中では群を抜いた完成度と魅力がある。
さらに押井守節も健在である。ケルト神話や軽・重火器などの武器についての流れる様な語り口の薀蓄は、知識というスパイスとなってアヴァロン世界の造形に良い影響を与えている。また食事や戦闘などの描写も、氏のねっとりした語り口の表現で味わい深いものとなっている。
この小説は、氏の薀蓄を楽しめる人で、かつゲーム好きや戦争ものなどが好きな人、つまり押井守氏の作品を楽しめる人にお勧めしたい。幾つかネタばれを避ける為触れていない事もあるので、是非最後まで読んでその感動・興奮を味わって頂きたい。
やるドラシリーズの最新作。洗練された、美しいアニメーションが特徴で、さらに今回の作品は他メディアでの同タイトルとリンクしている。個人的な感想としては、やるドラシリーズの最高傑作だと感じた。アニメ好きや、ホラー好きは要チェックな作品だ。
主人公が基本設定から逸脱することができないせいか、
人物造形が薄っぺらいのが残念。
史実をストーリーに取り込む手腕にそれなりのものはあるが
反日を出すにしてももう少し突っ込んでくれないと
モダン・ホラーな世界観に浸れない気がする。
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