武満徹の素晴らしい《うた》の数々。石川セリの個性が、服部隆之、コシミハル、羽田健太郎、小林靖宏、佐藤允彦等のアレンジによって、輝いています。
武満徹は、このCDの制作にあたり、ライナーノーツで「石川セリの昔のアルバムを聴いて、書き溜めて来た小さな歌を彼女に歌ってもらって」ほしいと希望していたそうで、それがこのアルバムで実現したことに対するお礼が述べられています。
石川セリの夫である井上陽水も喜んでいるだろう、という感想もあり、それくらいの完成度と感性で持って歌われたアルバムでしょう。彼女のアンニュイな歌唱が、また一味違った武満像を見せてくれます。
武満徹のこれらの作品は、メロディもいいですが、彼自身の詩がいいですね。「小さな空」に代表されるように、遠い日の子供の頃に見た情景を思い浮かべながら、慈しむように大切に作られた小品群だと感じます。
ロマンチストである武満の性格が、歌詞の随所にうかがえます。流れるようなメロディで、懐かしく、少し淋しげな旋律を持っています。子供の頃に、真っ暗になるまで遊んだ幼いあの日の情景が目に浮かぶような曲です。
「島へ」「翼」などの珠玉の小品群を聴いていますと「ノヴェンバー・ステップス」のような時代を切り開いた現代音楽とは違い、肩の力を抜いて聴くことが出来ます。彼が音楽の道に入る切っ掛けとなったのがシャンソンだったという有名な話を聞くと「さもありなん」と頷けますので。
長らく絶版になっていた『コシミハル』の『チュチュ』と『パラレリズム』が2枚組で再発です。 しかもリマスタリング音源という嬉しいおまけ付き。 粗製濫造、コピーのコピーが氾濫し、ものの1〜2週間で消費し尽くされてしまうJ-Popにウンザリしていた今日。 マスターピースの再発は、とても嬉しい出来事でした。
アナログ盤、オリジナルCD、どちらもかなり聴き込んだつもりでいましたが、 リマスタリングのおかげで新鮮な驚きを持って聴けました。 一音一音、音色や音像定位にこだわったバックトラックの上に、ソプラノで歌い上げられる耽美な世界観の歌詞。 今なお、新しさを感じさせる楽曲ばかりです。 PCレコーディングが身近になった現在だからこそ、良いお手本になる作品でもあります。 商品として世に送り出すのであれば、このくらいのこだわりを持って作り込んで欲しいものですね。
勿論全体的に好きなのですが、特に1曲目のAOKI takamasaさんが最高に素晴らしいです〜♪
みんながお洒落ぶって通ぶって、カッコつけてた80年代を象徴するような(?)
変化球満載のクリスマスアルバム。
ピテカントロプスあたりにたむろしてた人種は、これ聴いて
「悪くないね」なあんてスカしてたのかなあ、なんて
意地悪な事も考えてしまいます。
この企画90年代や今なら同じ面子でも、もっと素直に楽しい内容に
なっていたんじゃないでしょうか?
豪華メンバーがもったいない、惜しいアルバムです。
そんな中でただ一人、直球勝負を挑む伊藤銀次さんの
「ほこりだらけのクリスマスツリー」が素晴らしい!!
銀次さんはクリスマスアルバムもありますが、そこに入っているどの曲よりも
スバラシイ。
発表当時はこんなストレートな曲、こんなメンバーに混じってカッコ悪い、
と思われた気がしますが、銀次さんのこの曲が一番年月に古びずに聞こえて来ます。
銀次さんファンは自分へのクリスマスプレゼントに是非どうぞ!!
他の曲も駄作な訳ではないのです。構えてしまっている感じがするだけで・・・。
銀次さんとは真逆そうな立花ハジメさんも、違ったスタイルで素直。
あと、ジャケットがいいんですよねえ・・・。
ロック好きの僕と、ロック嫌いの嫁と子どもが聴ける数少ないCDのひとつ。Disc 2の 1、恋は桃色/ヤノカミ 2、スポーツマン/高橋幸宏 9.日本の人/サケロックオールスターズ + 寺尾紗穂ばかり聴いています。 好きだから感じるのですが、オリジナルではすべて伝わってこなかった、曲のすばらしさが実感できました。1.2は、両人とも細野さんとの付き合いが深い人なのが興味深い。9は2歳と5歳の息子が大好きな曲。キヨシローの詩がいい。オリジナルでは感じなかったのに。寺尾紗穂が歌う曲の後半は、昭和の情景がすっと入ってきて広がるところが、なんともいえずいい。
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