キャンドルチャオプラヤかんくんの衝撃動画評論

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きみにしか聞こえない [DVD] 美しく叙情的な映像、せつなくこころにしみる珠玉の作品です。製作者のていねいな映画作りと、若い出演者たちの純粋な輝きが、この映画をすぐれた作品に高めているとおもいます。テレパシーの場面は難しいと思いますが、若い成海さん、小出さんが、この上なくきめこまやかな素晴らしい演技で、拍手してあげたいくらいです。

横浜に住む少女リョウ(成海さん)と、言葉を話せない長野の青年シンヤ(小出さん)の、ある日突然始まったテレパシーによる静かな交流。「わたしはひとり」。。。こうつぶやくリョウは、こどものころの精神的トラウマ以来、引っ込んで自己否定的だったのが、シンヤの奥深い優しさと、あたたかな励ましにふれて、少しずつ自己信頼を回復してゆきます。彼女が徐々にこころを開いてゆくところが印象的です。やがてシンヤが東京に出てくる日、約束の場所に二人は向かうのですが。。。せつない結末がまちうけています。

二人のテレパシーに時差があることが、この映画のとても重要な要素です。途中からもうひとり、リョウとテレパシーで話せるオトナの女性ハラダさんがでてきます。このふたりの間はなぜか受信状態が悪く、それも時差が関係するのですが。。。ハラダさんはリョウに「覚えておいて、あなたはのりこえられる」と励まします。どういうことかはラスト近くで明らかになり、じーんとこさせられます。

映像も音楽も叙情的で美しく、静かにゆっくりと物語の中に引き込まれていきます。後に残るのはさわやかさと、清涼感。そしてなんともあたたかな気持ちになれました。映画の最後、まだ若いリョウが、悲しみと、これまでの自分、を乗り越えて、前を向いていきてゆこうとする場面は、みていて希望が沸いてきて、勇気づけられるような、美しいラストシーンです。こころにしみてくるような、素晴らしい映画です。ぜひおおくのかたにみてほしいです。

The Book―jojo’s bizarre adventure 4th another day 言うまでもなく原作が既に付いている作品のノベライズは通常の小説創作とは比較にならないほど困難なものだ。
特にこの原作は漫画表現独特のビジュアル的な面白さを武器の一つにし、原作者しか発せないような独特の空気感を漂わせている。また、原作を愛する熱心なファンも多い。
実際に私もこの本の発売を聞いたとき、本当にできるのか?と思った一人である。 しかし、この小説は、これらの難問に果敢に挑んだ乙一氏の心意気をきちんと感じるものになっている。原作に対するリスペクトと膨大な試行錯誤と作者の深い原作の読み込みが随所に見られるからだ。
話自体もなかなか面白かった。確かにジョジョでした。

イレヴン・ストリング・バロック セルシェルのギターはスペイン風ではないかもしれない。つまりあまり暗い情熱を感じさせない、実に日常的な美しさを持ったどこか懐かしい、あたたかい音色です。私はセルシェルのギターっを聞く度に、幼い頃の昭和の風景を思い出します。渥美清の「泣いてたまるか」のような風景を思い出すのです。それはセルシェルが北欧の人だからかもしれません。その人が弾く11弦のギターのバッハは、それはそれは優しい美しいバッハです。日常のどんな場面でも聞いていたい、まさに家具のような音楽です。
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