下肢静脈エコー、特にDVTに重点を置いたテキスト。
最初に下肢脈管のきれいな解剖図が提示され、非常にわかりやすい。
各脈管の描出法を解説する頁においてもカラー解剖図が載せられておりイメージがつかみやすい。
この種のテキストにはありがちだが、「脛骨」を「頸骨」と誤表記されており残念。よく間違える解剖名なので校正の際に出版社が注意すべきであった。よって星4つ。
総じて良いテキストであると思う。
大学病院で働いている医師です。
救急外来で当直をしていると、病院に来るタイミングが分からない方がとても多いように思えます。
軽症なのに不安だからと言ってタクシー代わりに救急車で来る人がいる一方で、早く来院していれば後遺症も残らずに済んだのに「寝ていれば治る」と言って手遅れになって運ばれて来る人もいます。「病院に来るべきタイミングが少しでも分かってくれたら…」と思います。
この本は文字はやや多いですが、病院に来るべき重要な所見をかわいいイラストで教えてくれています。付録の早見表は医師の自分が見ても便利だと思います。一人暮らしの祖母に送ってみました。
この本で一人でも多くの方の命が救われたら…、と願っています。
2011年9月現在。
わたし自身、最近、未破裂脳動脈瘤がみつかり、ネット上の情報を探しまくり、また、2つの病院の診察も受けました。
この本は、1つだけの書評が悪かったので、敬遠しましたが、本としては医者が書いた本は多々あるものの、患者が書いた本は、これくらいしかなかったので何冊目かの最後に注文しました。
未破裂脳動脈瘤について、ネット上のブログ等の情報は少々ありますが、患者の目線でここまで詳細に書いたものは、ありませんでした。
造影剤を入れたCTA、カテーテル検査の意味、開頭クリッピングかコイル塞栓術かの悩み、入院から開頭クリッピング手術、術後の苦痛、退院まで、どこかのブログでは決して書かれていない詳細度で記載してありました。
2002年初版ですが、2011年現在と比べると、経験とステントの使用によりコイルの適応が増えたくらいで、2011年の今でも医師の名前はともかく、情報量としては、十分に参考となるレベルだと思います。
私としては、医師が書いた本1冊以上+この本1冊を読んだ上で、診察を受けるのがよいと思いました。
未破裂脳動脈瘤の破裂確率等、データ面では、まだまだ、この分野は発展途上ですが、手術を考えるほど深刻な状況であるのなら、この本は、患者にとってもその家族にとっても絶対に参考になると思います。
少なくとも私は、10年後の今でも、ネットや他書では得られない生の声が十分に参考になりました。
ただし、今現在、どの病院や医師がいいか、という点では、情報が古いので参考にはなりません。
しかし、紹介状さえもらえれば、いくつでも病院の受診は可能な世の中なので、記者のこの人と同じとまではいかないかもしれないが、複数病院の受診時の選択の参考にはなると思います。命にかかわることですから、この人は記者だから云々などといっていないで、参考になる情報ならば、どんな情報でも知識として身につけ、果敢に医師に相談すべきだと思いますし、少なくとも私が受診した医師たちは、十分に時間を割いて説明をして頂きました。そのとき、何を聞くかは、予備知識が合った方がよいに超したことはありません。その予備知識として、10年経った今でもこの本は十分に役にたった。
私自身の脳動脈瘤の手術の前に読みました。難しい脳の話がとても単純化された絵と分かりやすい文章で書かれていて理解しやすかったです。どうやって手術がおこなわれるのか、手術後の経過はどうなるのかとてもやさしく、わかりやすく書かれています。
超高齢社会となり、食の欧米化の影響は進み、かつ企業で働く激しいストレス、これだけで心臓の危機は常にある。本書は「心臓の基礎知識」から、「血圧」、「働き盛りと心臓病」、「突然死」、「心臓と性生活」、「心臓リハビリ」、終章に「心臓病にならない為に」と、心臓に関し平易に、非常に解りやすく好感度抜群と思う。褒め過ぎかもしれないが、この長山医師はその人柄がわかるような良心的な著書だ。 「血圧」の項では、怖い仮面高血圧の3タイプ、血圧の降圧の3療法は参考になる。 「心臓病」の細則では、先ずは「狭心症」。病状別では労作性、安静時、労作件安静の各狭心症があり、原因別では器質性、冠攣縮性があり、後者が朝見に行くと死んでいた原因の一つだ。 次いで「心筋梗塞」。年間約15万人が発症し、致死率は30〜40%と推定する。血圧・コレステロール・血糖値が正常な健康体でも発症するから怖い。リストラや再就職失敗、生活不安という強度のストレスも原因となる。 その他に「大動脈解離」(緊急時に手術可能な病院は榊原記念病院他、東京でも数施設しかないという)。「不整脈」も原因は不眠、ストレス、喫煙、カフェイン過剰摂取等々だ。「喫煙」は心臓の大敵と随所に出て来る。 「突然死」は、50歳以上の運動中の例だと、1位ゴルフ、2位ダンス、3位ゲートボールとなる。ゴルフは、1番Hティーグラウンドでオナー、砲台グリーンに駆け上がる、そして定番のパター時だ。ダンスは意外だが、周囲の強い視線、ペアの異性への気持ちの高揚、上手なリードへの責任感で逝ってしまう。ゲートボールも下手な人ほどストレスになる。 白眉は「性生活」だ。心臓病患者でもそれ程制限は必要ないが、セックスが大好きな奥さん、淡白な奥さんと、興奮程度も回数も個人差があり過ぎ、一度試すしかない。不整脈や胸が苦しくなれば中止すると。女性には3タイプあり、絶頂期を何回も駆け上がる女性、絶頂期なく消退期に入る女性、一気に絶頂期を迎え直ぐに消退期になる男性のような女性がいる由。それによって男性の心拍数や血圧の上昇が違い、してみないとわからない。「腹上死」の解説も参考になる。やはり殆どが婚外性交で、ホステス、仲居、売春婦、内縁関係が多く、平均年齢は男52歳、相手の女32歳と、20歳の年齢差と東京都監察医務院の統計がある。夫婦間より婚外セックスが如何に精神的興奮が加わり危険が増すか、読者の貴方も注意を要する。
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