黄金期の5人(ジョン・アンダーソン、クリス・スクワイア、スティーブ・ハウ、アラン・ホワイト、リック・ウエイクマン)によってレコーディングされる予定が、いつもの脱退が起きリック・ウエイクマンの代わりにキーボードをビリー・シャーウッドが加入し、制作された97年のアルバム。 ジャケットのデザインなどがシンプルになり、原点回帰を試みるという意味で「オープン・ユア・アイズ」というタイトルなのだろうと想像していたのだが、中身は盛り上がりのない作品になってしまったように思う。スティーブ・ハウのアコースティック・ギターで始まる曲やジョンのヴォーカルなど相変わらずの魅力は備えているが、これまでのイエスの実績からすれば全く物足りない内容。
本シリーズは2004年から約2年間、国際大学の グローバル・コミュニケーション・センター(GLOCOM)にて 開催された研究会、「情報社会の倫理と設計についての学際的研究 (Interdisciplinary Studies on Ethics and Design of Information Society)」、 略称isedの議事録である。
本書は14回開催された上記研究会のうち、 設計研と呼ばれる7回の講演と共同討議を収録しており、 特に情報化社会におけるオープンソースの運動について多く語られている。 そのため保守的でやや批判的スタンスの強い倫理研に比べ、 前向きというか、未来志向のスタンスが強い。
ised終了後、本書発刊まで4年の歳月が流れ、 TwitterやYoutubeなどが次々と前面に出てきているが、 本書で(文字通りパネリストたちによって)語られている未来は まだほとんど実現していない。この未来への射程の長さは、 上記研究会の意義が極めて大きかった証であろう。
分冊でありながら二段組500ページ弱の大部であり、 様々な論者と多くのテクニカルタームが登場し、 倫理篇以上に通読するのになかなか骨が折れる。 もちろんその分、文化系には十分に刺激的である。
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