この本は、2009年から2011年にかけて週刊現代に
連載したエッセイを書籍化したものです。この本をクリック
する人で著者を知らない人はいないと思われるほど有名です
が、今は亡き夏目雅子の夫としてもよく知られています。
本では、春夏秋冬に分けて、大人とはどういうものか、ほん
ものの大人になりたい、大人になるのはどうすればいいか、
経験や体験から、エピソードあるいはお話として描いていま
すが、短編小説風になっているのはさすが作家です。この
ため、この作家は辛口と言っていいかと思いますが、お説教
じみてなく楽しんで読めます。
大好きな人への手紙、上司に意見、人を叱る、大切な人を
失った、嫌でも喧嘩という人とのつき合い方から、酒や
ギャンブルなどの日常生活、大人の仕事、旅をせよなど生き方、
ゆとりが大人をだめにするなど人生哲学、平然と見えても他人
に話せぬ事情を抱えているなど、幅広く深く語られています。
最後に、愛する人との別れ、妻夏目雅子と暮らした日々が綴ら
れ、彼女を深く愛し慈しんだことが伺え、こころのなかを垣間
見たようで、近づきがたいこの著者に一歩近づけたような気も
します。
これを読んで大人の男を勉強しなさいという女性向けキャッチ
コピーもありましたが、あまりに格好よく、大人の男になれるか
不安、本当の大人が少ないから本になったようでもあり、女性
に読まれたら立つ瀬がないという気もしますが、それだけに
先に読んでおきたい。
左門 新
女はなぜ素肌にセーターを着れるのか
三つ星レストランには、なぜ女性シェフがいないのか
先達の名言や行動について、現代にも役に立ちそうな史実を非常にわかり易く簡潔に書いてあり、飽きさせない一冊です。
池波正太郎氏が年下の編集者を相手に、衣食住あらゆることにまつまわる考え方を語る、という体裁になっています。食べ物について例をあげると、頼み方や食べ方の話が具体的に語られていて、これはこれで「大人の作法」になっていて非常に参考になります。しかし背景には、人と人の間の取りかたといった「心の作法」のようなものがあって、今はそうしたものに触れる機会が少ないような気がするので、非常に貴重に思えるのです。話題として取り扱われているのは、ごく日常的な素材ですが、その分、この本を読むと毎日がより豊かなものになるような気がします。
美しくも飾るところのない島、純粋な子供達、
温かく控えめで、でも強く映像に溶けこんだきれいなBGM。
主人公が話せないため、丁寧にその表情やしぐさを追うことになり、
自然と観ている側も映像の世界に入っていくことができます。
随所で、すがすがしさと、温かい気持ちと、少しの勇気をもらえる。
そんな素敵な映画です。
前作は夏目雅子の最後の話が載っていて涙モノだったけど、
今作は後半の震災に関するエッセイがかなり読み応えアリ。
(しかし前半は只の愚痴オヤジな感じが否めない。)
作家だけあって仙台での震災発生時の状況の描写は凄いです・・・・・
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