先日、某リサイクル店で、「四季」のLPレコードを買う機会がありました。かなり安価でした。CDと聴き比べてみると、だいぶ趣きが違う。CDでは聴けない、弦楽器の音の潤いとか温かみ、柔らかい音色。ひょっとして、イ・ムジチ「四季」はLPが最良ではないか、と思いました。
ヴィヴァルディと言うと、ヴァイオリンが有名だが、 香気豊かで気品溢れるチェロソナタを聴かずには置くのは、あまりにも勿体無い。 ヴァイオリンだと、少し騒がしいかなと感じる人も少なからず いらっしゃると思うのですが、この楽曲はうるさくありません。 凛々しく気品ある旋律が、「音楽を聴いた」と言う充実感を与えてくれる。 私が特に好きなのは、一番の出だしです。 一瞬で、香気溢れる別世界に運んでくれます。 チェロが好きな人、ヴィヴァルディのヴァイオリンが余り好きでない人、 美しい曲が好きな人、いずれにもお勧めです。
響きのよさで知られるイタリア合奏団(I Solisti Italiani)によるヴィヴァルディの協奏曲集<調和の霊感>。「ヴィヴァルディ」というとイ・ムジチ合奏団が挙げられるが、クリアな音質の点でいえば、イタリア合奏団の方が上ですね。このCDは<調和の霊感>全曲収録で、高音質のブルースペックCDによるものです。
B6判のスコアです。 情景描写のソネットは巻頭にまとめたものと、楽譜で随所に入っているものと両方あり、それぞれ日本語訳付きです。 秋の第二楽章では、通奏低音のアルペジオが書かれています。 一般に演奏される「四季」聴きながら見るには、わかりやすいかも。
シモーネの演奏は例えるなら一陣の涼風である。軽快なテンポでサッと駆け抜けていく。 あとに残るのは爽やかな聴後感である。これを味わいたくて彼の録音をいろいろ集める ことにした。今やバロック演奏は古楽器が主流であるがシモーネはモダン楽器にこだわ って、いわゆる「モダン・バロック」の可能性を追求し続けている。これはこれで一つ の見識だろう。シモーネ本人による丁寧な楽曲解説もついていて勉強になる一枚。
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