ライダーファンなら持っておくべき品かも!? 見応え有る作品です。
「老い」 は死ぬことではない. 歳をとれば死についてもかんがえてみる必要はあるだろうが,私が知りたいのは 「生きかた」 であって,「死にかた」 ではない. しかし,タイトルから受けた印象とはちがって,この本のおもなテーマは 「死にかた」 だった. とくにページをさいているのはローマの哲学者セネカの死にかただ. セネカの生き方についても書いているが…
生きがいをみいだせるような具体的なことについて書いているわけではないが,どうすれば生きがいを感じられるようになるか,どうやって生きがいをみいだせばよいか,などの問いにこたえてくれる本だとおもう. 60 歳をすぎてからあらたな研究をはじめて,72 歳で 「老いの泉」 という大著を書いたベティ・フリーダンの話がおおきくあつかわれている. また,チクセントミハイの 「フロー」 が老いの生きがいとむすびつけられている. ほかにもいろいろ,生きがいをみいだすためのこころがまえにかかわる話がとりあげられている. 老人だけでなく,もっとわかいひとにもうったえかけるちからのある本だとおもう.
伊東美咲のベッドシーン(布団シーン?)ばかり話題になっているようだが、これは客寄せのためのエサではなく、作品理解のための重要なキーとなっていることを忘れてはならない。 邦一(佐藤浩市)と広次(仲村トオル)の兄弟でありながら美咲に対する愛の表現の仕方の違いを情欲の形であからさまに見せているところにこの映画のよさがあると思う。 伊東はこの作品が主演第一号なのだけれど、よい作品にめぐりあえたと思う。演技力がつたないことは織り込み済で、だからこそ布団シーンがうまく補っているのだ。彼女は「リザーブ」された表現方法が光る女優で、だからみんな(オレも)エルメスに萌えーてしまったんだけれど、この作品の薫は、幸せになりたいだけの一心なのに、運命の波に流されてしまう女性なので、伊東のキャラが良く生きていると思う。森田監督よく考えてるよ。 で、褒めたあとに苦言ですが、はじめに、何故、どこから見てもお嬢の薫が都会の函館から、漁師の嫁にいったのかという大事なつかみが弱すぎる。僕は小説を読んでいないので、メイキングビデオの三田佳子のコメントでようやくわかったんだけれど、ロシアのハーフということで差別されていて自分の居場所がなかったところに、ふと、やさしくしてくれた男が現れたから、が理由らしい。美咲ちゃんは全然ロシアのハーフに見えないし、差別されていた様子もあったことはあったけど、「辛さ」がつたわってこない。出会った佐藤浩一には、恋をしたのかどうかもよくつたわらない。森田監督の描写と編集のバランスも弱いし、やはり伊東のリザーブされた演技の限界だろう。 ここでの弱さが最後まで引っ張って、見ている者に、じゃ、最初から仲村トオルとであってたらよかったのに。と思わせてしまう。でも、本当はそうじゃないんだという気がする。 いまから小説を読んで、谷村 志穂が本当に描きたかったものを知るとしよう。
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