ついに再発決定です。 今私は、オリジナルを聴いていますが、93年リリース当時に、これだけのバラエティでしかも、ライブで表現しきる力量には驚きです。ボ・ガンボスという希有なバンドの奥行きの広さ、風通しの良さを感じさせるに充分な仕上がり。曲リストを見てもらえばわかりますが、遅れてやってきた若いファンにも是非聴いてほしい、ロックの遺産といって良い珠玉の名曲がこれでもか、と炸裂します。どんとは本当に味のあるギターを弾くなあと再認識です。
これは、どんとという個性が音楽の一ジャンル、しかも巨大な一ジャンルを呑み込んでしまった非常に稀有な作品だ。彼らの標榜したガンボ・ミュージックというもの自体が元々様々なジャンルをまぜこぜにしてできたもの(ガンボというのはニューオーリンズ地方に伝わる「ゴッタ煮スープ」のこと)なので、そこに日本人としてのエッセンスを加えただけではガンボ・ミュージックの鍋からはみ出すものにはならない。ところが、どんとが演ったとたんにそれはジャンルを超越した“どんとの音楽”になる。
彼らの名刺と呼ぶにふさわしい「助けて!フラワーマン」。この一曲だけで、彼らがどんなバンドでどんな音楽を演ってゆくのかというステートメントになっていた。勢いがあって、突き抜けていて、パッションがハジけていて、カラフルで、グルーヴがあって、摩訶不思議で…何より紛うことなきニューオリンズ・サウンドなんだけど完全に彼らのオリジナルなスタイルでもある。
たたみかけるように、ラヴ・ソングも彼らにかかるとこうなる「泥んこ道を二人」、ユーモラスの極み「魚ごっこ」、本作の中では最もロック色の強い「ダイナマイトに火をつけろ」、そしていつでも聴き入ってしまう「夢の中」etc.と続く前半は改めて聴いてみても鉄壁だ。後半は比較的見劣りするものの、不謹慎なユーモアにニヤリとさせられる「見返り不美人」、「夢の中」と双璧を成す詩情溢れるバラード「トンネル抜けて」など聴きどころは随所にあり。最高。
このCDの夫人のさちほさんが書いた解説にあるのだが、以下、そこからの話。 どんとのベスト盤の話が持ち上がり、夫人がいろいろな思い入れをこめて選曲して、解説も書き終えた後、ふと、開かずの間にしていたどんとの自宅録音室を調べると、DATの中に『どんとbest』と書かれていたテープが入っていた。それを聞いた瞬間“やられた”と。それはハワイに行く直前まで、作っていたか、聴いていた、どんと自身による、ベスト盤だったのだ。 このCDは、そのテープを、曲順までそのままCD化。どんとの活動を振り返った解説&写真の数々もすばらしい。夫人が選んだであろう、リラックスしたどんとの微笑み。グラフィックもどんとらしい、曼陀羅風の過剰さ。そういう意味でも、どんとの“ベスト!”!と言える。 どんとが好きだった曲がなにかを知ることができたのはファンとしてはたまらないのだが、『また逢う日まで』を聞くと、“おう、いつか逢えるよな”と私は涙が止まらない。
まず、選曲が最高です。 2. 魚ごっこ 3. 光るビーズ男 4. 夢の中 5. Hey Flower Brother 6. カーニバル 7. SLEEPIN' 8. 君の家は変な家だなあ 9. 夜のドライブ 10. CANDY CANDY BLUES 11. トンネル抜けて 12. ポケットの中 13. ラッキンロール(あの娘が欲しい) 14. ブギウギ 15. ワクワク 16. デリックさん物語 17. 絶体絶命 18. もしもし!OK!! 19. 助けて!フラワーマン 20. ダイナマイトに火をつけろ 21. あこがれの地へ 22. 泥んこ道を二人 23. 見返り不美人 24. ボガンボラップ 代表曲はすべて入っていますし、ステージングもMCも演奏も最高です。 メンバーのステージ衣装も凝っていて、場所が野音というのがまた。 他のDVDより高い価格になってますが、買うならまずコレからだと思います。
”極上のガンジャに火をつけ、どんとの最後の息とともにどんとの唇の中に深く深く吹き込んだ。(中略)・・・そうやって私たちはこの世で最後のキスを交わした。”
最愛の人を突然亡くし、どん底の暗闇の中に突き落とされ、そこから光を見つけていく・・・、きれいごとでもなく、そして悲劇のヒロインでもなく、自然体でしなやかに表現されています。ところどころで号泣でき、読み終わったら虹を見た後のような、さわやかな心になってました。
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