『Papa told me Cocohana ver.第1巻』です。2巻、3巻…と今後また続いていくようで、嬉しいです。『Papa…』の中にときどき現われていた、世の支配階級や多数派の理不尽に対する異議申し立てに、このたび「反則センサー」という名前が付きました。これからも「反則センサー」で、澱んだ世界に爽やかな風を吹かせてください。集英社さん、買おうと思って油断しているうちに絶版になってしまったオリジナルバージョン(1巻〜27巻)も再版してください。買いますから。
1巻目からすべて読んでいます。
まず、年月を経てすべてが変わってしまったことを実感しています。もっとも変わったのは知世で、丸顔でややぽっちゃり、年齢も以前より低めで性格も思考もシンプルでやや明るめ、メルヘンチックでのんきになったように思います。服装もややラフでスポーティ、以前のようなシックでファッショナブルな感じは抑え目になったような。それに合わせて周囲のキャラも物語りもすべてがふんわりとソフトになって、絵も線がちょっと太くなってデザイン化されたような。その中で、以前のような不思議なリアルさ、現実とのギャップ、既成概念への抵抗のようなものは薄れて世界はよりハッピーなものに変わったように思います。
といって、それが悪いわけじゃないんです。まだ、違和感ぬぐいきれないけれど。馴れと言うものもあるし、見逃しているものもあるかもしれない。そして、心から期待しています。
続巻も買う予定です。
前回の単行本から1年で新書版二冊目。思ったより早いなと初出を確認したら、 ほぼ半分書き下ろしでは無いですか。お疲れです! 前回の新書版の感想で、知世ちゃん始め登場人物の表情の柔らかくなった件を書いた。で、どう変化したか、YY版の1巻から改めて読み返してみると。 昔の登場人物の鼻っ柱って、皆二本線だったのね! 今はあっても一本線で、ともすると鼻っ柱が描かれないんだけど、それが淡い柔らかい表情、空気につながっています。 収録された作品群は掌編ばかりと言って良く、お父さんと知世ちゃんのエピソードに絞って取り上げられています。結果、以前の様にシリアスに様々な痛みと相対する哲学性よりも、微笑と歌と想像力を横溢させる、可愛らしい作品に変貌しています。 それは今作の中盤、「Angel,s eye」に登場するレトリーバー達のありようを、作品で実践するかの様です。 おかげで信吉氏は、泡立て器をふりたてつつ脳ミソが少女化したかのごとき演説をぶつ、「父ちゃんキャラ」に変貌しておりますが、俺としてはそんな信吉父ちゃんがお気に入りなんであります。
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