村崎百郎って改めて読むといってること滅茶苦茶まともじゃないの!彼自身の文章もいいし、なにより関係者のインタビューや寄稿がたまらなくいい。特に大学時代の同級生なんて、いい文章書くよね(泣)。思わず「電波系」読み返しました。
だからこそ、というかそれなのに、というか、どうしようもなく下らないゴミのような鼎談が一個だけ挟まっていたのが惜しい。あそこだけ切り取りました。
合掌。
1983年に綺譚社から出たのが最初。前半が「日本のおともだち」として超短編2つに短編1つ。後半は「アメリカのおともだち」として短編2つ。前者のうち「春ノ波止場デウマレタ鳥ハ」と、後者のうち「ボビー&ハーシー」とが、圧巻の名作と思う。子ども時代の友だち関係のはかなさを「春ノ」で描き、思春期の桜色の時代を「ボビー」で描く。いずれも古風な絵柄を自在な構図とコマ割りとで見事に統御し、甘酸っぱい物語に仕上げていると思う。
大人のための上質な絵本である。
のどかな雰囲気のラブ・ロマンスに見せかけて
残酷な展開へと向かっていくストーリー展開が
印象的な作品であります。 (これも「フランス映画風味」のなせるわざでしょうか。)
「天井桟敷の人々」と同じマルセル・カルネ監督、ジャック・プレヴェール脚本による作品。同監督・脚本チームの処女作「ジェニイの家」の2年後、「天井桟敷の人々」公開から遡ること7年にあたる1938年製作で、ジェニイがつぼみ、天井桟敷が爛熟した大輪の花とすれば、こちらは楚々とした可憐な花といったところでしょうか。小品ではありますが、そこここにハッとさせられるプレヴェール節が光り、ジャンの恋人ネリー(ミシェル・モルガン)のスレンダーな美しさ、パナマという名の時間が止まったような不思議な酒場、波止場街のカーニヴァルなど、瞳に焼きつく絵画的場面に数多く出会える美しい映画です。
天井桟敷ファンとして蛇足を付け加えると、チンピラ役のピエール・ブラッスール(天井桟敷のフレデリック)がとても若く、お顔ツルツルなのが微笑ましいです。ジャン=ルイ・バロー(天井桟敷のバチスト)は自殺する画家の役をオファーされたものの事情があって出演できなかったそうですが、彼ならどんなミシェルを演じていたかを想像するのもまた楽し。
「戦地にいると、ここ(頭を指して)の中に霧が出るんだ」とつぶやく脱走兵ジャンには、天井桟敷のガランス同様、絡みつく社会的制約の中でもがきながら自由を希求する人物像として、カルネ・プレヴェールの理想や願望が投影されているのではないでしょうか。
大分インパクトのある根本ワールド。なかなか笑わせてくれました。しかし電車向きではない。なぜなら笑いをこらえるのに様子がおかしくなるから…
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