鉱物についての知識というか常識がくつがえる本です。
天然の鉱物がこんなにも美しいとは。
この本は宝石とはちがった鉱物の魅力をたっぷり見せてくれます。
写真がとてもきれいです。
この本に載っている石が全部ほしくなります。
『COBALT TARPHONIC 音楽文庫 第1〜3集』は、あがた森魚が2012年に発表したアルバムだ。2000〜2001年にファンクラブ「永遠製菓」から発売した自主制作盤『COBALT TARPHONIC 音楽文庫』全3集を1枚のCDにまとめたものである。
稲垣足穂の日記や随筆を曲にしたものを中心にしたアルバムだが、内容も録音もオリジナル・アルバムと比べてなんら遜色なく、こうしたすばらしい作品が一般流通に乗ることで広く聴かれることは喜ばしい。
『第1集』にあたるのが冒頭の3曲。「Walrus Walrus」はライオン・メリーによる前奏曲。「雪ヶ谷日記」は稲垣足穂が終戦前後の1945年8月に書いた日記を曲にしたもので、ほとんど語りだがサビだけメロディーがある。のちに『タルホロジー』で再レコーディングされるが、そちらはでは若干のカットがあり、こちらのバージョンの方が長い。そしてベルウッドからのデビュー・アルバム『乙女の儚夢』に収録されている「冬のサナトリウム」のセルフカバー。シンセのループをバックにしたエレピ弾き語り。
『第2集』にあたるのが続く2曲。「億光年の岩で転げてる」はのちに『佐藤敬子先生はザンコクな人ですけど』で再レコーディングされた。メドレーで続く「美しき穉き婦人に始まる」がすばらしい。駄菓子屋の店先で見かけた14,5歳の少女を見初めた話と、天球儀を模したゴム毬を手に星図を覚えるようになったという話なのだが、栗コーダーカルテットの演奏をバックにあがた森魚が語るとなんとも感動的なのだ!
『第3集』にあたるのが残りの3曲。「星繁き牢獄の提督たちよ〜大統領チックタック氏公開状」はここでしか聴くことのできないちょっとコミカルでかわいい曲。でもやっぱりタルホ。そして21世紀のあがた森魚を代表する名曲「佐藤敬子先生はザンコクな人ですけど」。のちに同名アルバムのタイトル曲として再レコーディングされている。比べると若干歌いまわしが異なるが、青木慶則によるアレンジはほぼ完成されている。「明石から」も稲垣足穂の随筆を曲にしたものだが、若干コミカルな調子である。
あがた森魚の他のどのアルバムよりもロマンティックで、どのアルバムよりも稲垣足穂的である。冬の夜に手製の投影機で天井に星空を映しながら聴きたい、そんな一枚。あがた森魚ファンなら必聴でしょう。
解説によると、稲垣足穂は飛行家になりたかったらしい。
空にあこがれ、雲の間を複葉機で自在に飛び回る夢は叶わなかったが、
星や月や天空と、自分の心との距離とは、自在な空想力によって近づいたようだ。
――夜更けの街の上に星がきれいであった
たれもいなかったので 塀の上から星を三つ取った
−家へ帰ってポケットの中をしらべると 星はこなごなにくだけていた
Aという人がその粉をたねにして 翌日パンを三つこしらえた
(「一千一秒物語」より)――
なぜ月は天空を回るのか?なぜ星はこんなにたくさん夜空に見えるのか?
人は知識として聞いて、わかったフリをしているだけ。
月がある、星がある、その存在だけで不思議な現象なのだから。
ほうき星がビールびんの中に入ったり、お月様を食べてみたりといった作中の現象も、
現実世界では未だ遭遇したことはないかもしれないけど、
不思議な世界への扉は、ある日突然自分にだけ開くかもしれない。
自分さえ心を空に向かって開いてさえいれば、ね。
…そんな気分にさせてくれる本です。
わたしが稲垣足穂を初めて知り、そして好きになった本です。彼の代表作で要素も強い「一千一秒物語」が収録されているので、稲垣足穂の作品を何か読んでみたいと思っている方にお薦めします。多分、好きになった人はもっと読みたくなるでしょうから。……というか、好きにならなくても彼の美学と想像力には難解さも含めて脱帽はすると思いますよ。それくらい自由奔放に並べられた言葉たち。そして、少なからず感傷もついてきます。ぜひ星空・ヒコーキ・少年愛のきらめく世界に浸ってください。
(ちなみに私は「フェヴァリット」が好きです)
ベルクソンについてというよりも、著者のいう「あいだ」という視点とベルクソンの視点がいわゆるベルクソニアンと呼ばれるベルクソン研究者とは違い、その違いをいいつつ、著者とベルクソンの著者のいう視点が同一であるという前提のもとに、著者の「あいだ」哲学をベルクソンの名をかりて説明している気がする。最後に著者は「あいだ」哲学への誘いとして、自著をあげているところからも、感じられる。
ベルクソン入門ということだが、まったくの入門書という印象は受けない。むしろ、ベルクソンの主要4作品くらいは読んだが、その歴史的射程や、位置づけを本書を読むと非常にクリアになるのは著者の懐の深さを感じられる。
欲張りすぎず書かれている感じが読みやすく、面白かった。
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