数式を極力省いた解説であるにも関わらず、極端な消化不良も起こすことなく、最後まですっきりと読めました。なんといっても、説明がうまい!と思わずうなってしまうような文章の構成でした。それぞれの章ごとに、頭に概説をもってきておいて、それを一気に説明する方法は、読んでいる方としては非常に頭に入ってきやすいものでした。単純にお勧めできます。
ディラックの量子力学は、朝永振一郎先生監訳が出ているが、値段は6千円以上すると思う。だが、このペーパーバックスは、なぜこんなにも安いのか?、古典と言うべき本が、皆な安いのは翻訳料が高いのか?、1/4〜1/5の値段で買えるのだ。ディラックの「量子力学」「相対論講義」はもう殆んど、一度は読んでおくべき基本書であるが、科学雑誌は殆んどが英文だ、英文が読めなければ情報が取れない。やはり科学論文を読む英文の力は不可欠だ。話せなくても好い、ただ難なく読める英文の読解力はもう不可欠だ。今更謂うべき程の事はないこれ常識だ。この本は、日本語の1/10です、こんなに安いとは!科学書だけではない、あらゆる分野で本が安いのだ、英文読解は資金の節約になる。
特典のサントラはあるのにキモの最終回がないです?
しかし第5回までは作製されてから20年近く経っていますが完成度は今でも高いままだと思います?
特典のサントラつけるまえに最終回をお願いしますよNHKさん??
ものすごい濃い内容。タイトルの疑問を冒頭で呈示して、素粒子の探求でクォークまで解説した後から、4つの力の説明になり、量子色力学、弦理論、CP対称性の破れまで至り、「物質とは何なのか」「なぜ物質は物質として存在するのか」の根源にかなり迫っているな…と思ったらまたタイトルの疑問「宇宙は何で出来ているのか」に戻ってくる。宇宙の重さの96%は何か。わかりませんが結論。本書が縷々書いてきた話はそのうちの4%に過ぎない。暗黒物質はどこにでもあるけど、ほかの素粒子と全く付き合いがなく、我々の体や宇宙をすいすいすり抜けているのではないかと著者は推測する。暗黒物質よりさらに多いと推測される暗黒エネルギーについてはさらに不可思議だ。ものすごい宇宙が膨張しているにもかかわらず、密度は全く変わっていないのだという。見つかってもいないものの密度やら分量やらがなんで推定できるんだ、いう疑問はさておき、こんな物理法則をあざ笑うような妖怪みたいなものを探す気によくなるなあ…と思う。自分だったら匙を投げる。
なにせ新書でこれだけの内容なので、数式はなくエピソードもはさみ込んで軽いエッセイ風の文体で書かれていて、基礎知識も不要ではあるものの、崖を登るような急ピッチで内容が難しくなる。私は、坂田モデルや量子色力学の項の解説はチンプンカンプンで理解をあきらめた。他のところも頭で字面はわかっても、内容が腑に落ちてこない所も多い。だがそれは、内容が本当に難しいからであって、この種の入門書としては、かなり分かりやすい部類に入ると思う。素粒子、宇宙の根源に興味がある人はトライする価値のある本ではないか。先に述べた通り、題名の疑問の解答は「ほとんどわからない」のだが、20世紀末になって「わからないということがわかった」ということが収穫であると著者は説明しようとしている。
本著はランダウ亡き後にランダウの精神を受け継いで書かれたものであるが、量子電磁力学(QED)は、 60年代後半に大きく変り、本書も確立された量子電磁力学(QED)以外の記述を除いたものであり、 ランダウのなした仕事が盛り込まれているが、今や、特色なき教科書でしかない。これは、以前 「相対論的量子力学1,2」として翻訳本が東京図書から出版されたが、これで、 勉強なさった方はこの翻訳書から、時代遅れの部分、ハドロンの力学対称性、弱い相互作用が削除され たものが、本書である。今や、QEDのみを勉強する学生はあまりいないだろう。 場の量子論として大きく進歩したゲージ場の理論を学習するのが普通であり教科書は数え切れない程ある。 QEDのみを必要とされる方にも、この本はあまりお薦めしない、他に多くの良著がある。
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