ニコール・キッドマン主演映画になったことと、スティーブン・キング推薦というのに惹かれて読んだが、まったく怖くなかった。A Kiss Before Dying と The Boys From Brazil は原作、映画とも怖くて十分楽しめた。
主人公はテレビ局の敏腕プロデューサー、バリバリのキャリアウーマンだが、ある番組で失敗し、責任をとって解雇される。悲嘆にくれてうつ状態になった彼女に精神分析医は、郊外に転居して、療養することを勧める。テレビ局では彼女の部下であった夫も賛成してくれ、家族はステップフォードという郊外の住宅地に引っ越すことになった。しかし、引っ越してびっくり、この街には、典型的なハウスワイフと亭主関白な夫しか住んでいなかったのである…まさに人工的な街にすむことになったキャリアウーマンの役をニコール・キッドマンが好演。その後あるたくらみをもってロボットのようなハウスワイフに変身したときのNキッドマンも恐ろしいほどハマっていて、そのお人形さんのような美しさに降参しました。
軽く見れるファンタジー映画。 嫁がパワーエリートだと、夫はずっとコンプレックスに苛まれないといけない。 それを解決する方法は・・・という内容。
もちろんそんな理想の女など存在せず、男たちはかる〜くお仕置きされるシーンで終わる。 勝者の代償といえばいいのか、すべてを手に入れることはできませんね。
この作品は原作の雰囲気をまったく損なわせず、それどころか原作以上に上品さを際立たせ、一人一人のキャラクターに美しい個性を与えている。主役に二コール・キッドマンを迎えているが、彼女の周りを彩る役者たちは主役にまったく劣らず、この作品を際立たせている。音響効果や撮影方法なども細かいところにカンピオン監督の技が感じられる。主人公イザベルを中心に展開される人間ドラマが美しい。
つい最近のニコール・キッドマンの同名映画はややコメディ路線だったが、同じ原作をもとにしたこの1975年の作品は全く雰囲気が異なる。
個人的には、こちらの1975年版の方が傑作だと思う。ヒロインのキャサリン・ロスもニコール・キッドマンに劣らず魅力的だったし、正統派のサスペンス・ホラーとしては同時期の「ヘルハウス」と並ぶ傑作。 必要以上にグロテスクで、どんでん返しにこだわりすぎるような今のホラー映画と較べるとおとなしい抑えた演出だが、じわじわと核心に迫って行き、心理的にはこちらの作品の方が怖い。
ストーリーはあまり詳しく書けないが、ある田舎街に暮らす人々の話で、古くから街にいる家族の妻は皆が異常なほど夫に従順なのに対して、最近、引っ越してきた家族の妻は自己主張が強く、家庭に縛られるのを嫌っていたが、旅行から帰ってくると何故か従順な正確に変貌していて・・・。古くから街にいる家族の妻は訳あってみな従順なのに対して、最近、引っ越してきた家族の妻はみな自己主張があって家庭に縛られるのを嫌っているのがおかしい。(だからこそ旦那はここに引越したがるわけだが)
男性が自分に対して従順な妻になることを望むという内容は70年代当時のフェミニスト運動盛んな時期には大分、反感を買ったのではないかと思うが、そういう社会的背景抜きに見てもサスペンス・ホラーの傑作のひとつ。
特典映像のインタビューを見るとブライアン・フォーブス監督と脚本のウィリアム・ゴールドマンとの確執が相当あったようで、完成作品を見るとこれで良かったのだろうとは思うが、個人的にはもっとショッキングだと言われるゴールドマン脚本のラストも見てみたかった。当初はブライアン・デ・パルマが監督に予定されていたそうですが、まさにデ・パルマむきの題材で、デ・パルマ監督が演出すればもしかしたら大傑作になっていたかも知れない。
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