奇跡の発売です。これは、買わねばなるまい。 吹き替え版のDVD-BOXも発売され、まさに今年はパイソンズ・イヤーです。
パイソンズの他の映画と比べると、ややとっつきにくい(というよりキリスト圏ではない日本では、描写が分かりにくい)ですが、唐突に現れるギリアムのUFOや、相変わらずなお馬鹿なシーンがてんこ盛りです。
発売してくれて有り難う。
そして、エリックの吹き替えを担当された広川さん、安らかに。
モンティ・パイソン40周年(2009年)オラトリオ公演「Not The Messiah (He's a Very Naughty Boy)」のBDを先に購入した。これが実に楽しく、かつ時間の流れにしみじみとさせる佳作。当然、この元となる作品「ライフ・オブ・ブライアン」を観たくなった。嬉しいことにBDでかつこの価格とキャンペーン中。これまでもファンとしてはVHS!で持っていたが、その後レンタル店には並ばない作品であるため、我慢していたからいろんな意味でうれしい。
映像自体には古い映画だし、もともと低予算な作品だから期待していなかったが、予想外にすばらしい画質。低予算なフィルムの質感を出しつつ、キズやカラーバランスなど素晴らしいコンディションだ。モンティ・パイソンと言えば!のタイトルアニメから素晴らしい画質。こんなに作りこんでたんだなぁ、しかも手描きで、セルフィルムでの繊細な仕事!!!
音も再構成だろうが、ドルビーTrueHD5.1。吹き替えはモノラルだが、広川太一郎などのレジェンド声優のぶっとび!吹き替えが楽しめる。
久しぶりに鑑賞すると、あれこんなに間延びしてたっけ?という感も無きにしも非ずだが、モンティ・パイソンワールドにハマりこめる。ロケ撮影の手抜きの無さ。今ならCGでほいほいできるようなことをすべて人力で、時間もかけて、かつ忍耐力と切れない集中力。すごいよな〜。笑えない現場になるよ普通。城壁に全面に書いた落書きなんて、気が遠くなる。ラストシーンの美しさにも40周年オラトリオの感動が被ってきて泣けた。
もちろん笑いのセンスは今でも活き活きしている。日本の笑いが派手なテロップと笑い声効果音(50年代米国TVからの伝統!?)でごまかして、笑わされているのに慣れていると、笑えないと言うかもしれないが、日本のはそういう仕掛けで「笑わされている」もの。モンティ・パイソンで自力で笑うことに目覚めるはず。
特典のドキュメンタリーがまた素晴らしいので、是非観て欲しい。
作品について当時、米国、英国でものすごい批判と上映禁止嘆願が宗教界から行われた。その映像やTV番組での討論。さらにその討論のパロディ番組---宗教者役がローワン・アトキンソン!そしてそれを逆にパワーにしてたくさんの人々に鑑賞されたこの作品。上映禁止のノルウェーではスウェーデンに観にいった。宣伝文句「ノルウェーでは上映禁止になるほどの傑作!」
そして時代を経てメル・ギブソンの「パッション」(1982年作)の上映に際し、再公開。(この時にリマスターしたのかも?) パッションの解毒剤と評され、作品の素晴らしさがさらに認識された。
…というような宗教的関心の低い日本人には知られていない多くの事実と、作品の真価も分かる。そして日本人には共通する
「無から生まれて無に還る」が世に訴える力。
そして「自分で考える人にはわかる映画だ」と彼らは言う。
自分で笑い、自分で考える…実に奥の深い、だけど口笛吹いてスキップさせる映画。40周年でのオラトリオ化の意味も理解できる。
★一つ減点は字幕の邦訳が「?」なのが気になるため。まあ、難しいけど→と先日評価したがドキュメンタリーを見て満点に変更!
*「Not The Messiah (He's a Very Naughty Boy)」は日本では発売されていないが欧米で日本語字幕もあるBDが売られている。
私はアマゾンUKで購入。元の価格も安い上に超円高そして内容も品質も最上級だから、是非購入&鑑賞を勧める。
70年代のブリティッシュ・ロックにはツェッペリンの諸作品やピンク・フロイドの狂気といった歴史的傑作が多いが、ベスト10を選ぶとすれば、D.ボウイの本作と次作「ヒーローズ」は外せないと思う。ニュー・ウェイブの台頭で騒然とする世の中に背を向けて、ベルリンに寄り添い、デヴィッド・ボウイの歌を最小限にして、イーノと組んで展開した実験的かつ深遠な音宇宙が最高。LP時代のA面(M7まで)はファンクとテクノ・ポップの融合という時代の最先端の音を追及。M1はたいていの人が聴いたことのある曲で、M4は究極のポップスで最高にご機嫌な曲。他の曲は言葉をちぎって投げつけるようなボウイの歌い方が印象的。本作で凄いのは荒涼とした土地をさ迷うイメージを喚起するインスト(1部ボウイの「声」あり)が続くM8以降。これぞヨーロッパ哀歌と呼びたい。そして、時代は「ハイ」ではなく「ロウ」と言い切ったボウイの、この頃の感性の鋭さには感心させられる。
ところで、99年デジタル・リマスター・サウンドの紙ジャケ盤は2年前に発売されている。本エディションの売りは、SHM−CDであることと、帯をオリジナルLP時代のものにできるだけ近づけたことのみのよう。私は本作の紙ジャケ盤は持っていなかったので、本エディションを購入したが、基本的には99年リマスターの音だから、99年以降に発売されたエディションを既に持っている人はよく考えた方がよいだろう。
一貫して、宗教や信条その他そのものではなく、それらを「盲信して、自分の頭で考えない人々」を徹底的にバカにして笑い飛ばしています。2010年の日本では社会的に許されないであろう内容や表現を含みますので、誰かと一緒に見る場合は要注意!? 日本人もバカにされてます! モンティパイソン映画の最高傑作とも言われる本編ももちろん爆笑につぐ爆笑ですが、特典メニュー→メイキング・ドキュメンタリー集の「できるまで」も、必見です。
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