とてもよい本です。片づけが習慣になってから、3年くらい経ちます。その中で自分自身で考えていたことが、この本にほとんど書いてあった感じがしました。「さあ、片付けるぞ!」とたまに大きく振りかぶらないと進まないとリバウンドしてしまって、片づけが作業でもイベントでもないことを実感しています。
一気に片付けてはいけない、というこの本の指摘は本当に「片づけが習慣である」という本質を突いていると思います。また、他の片づけ本の中にも出てくるのですが、「ここだけは片付いている」という場所を一箇所まず、つくること。私自身も一気に片付けずに、まずは放置してあった粗大ごみを片付けるために、業者の方に電話をすることから始まりました。空きスペースが少し出てくるともっと空きを大きくしたいという気持ちが高まって、片づけにはそれなりのコストをかけていますが、その分粗雑な小物を買わなくなったりしてきました。
もう1つは「例外を作らないこと」。例外を作らない、というのは自分を律することに他ならないので、片づけを習慣化していくことによって人生が好転していくというのもむべなるかなと思う。自分はいいけど家族がなかなか・・・という場合(今の私)、この原則を無言で伝える方法として今実行中である。冷蔵庫の上だが、空き瓶を置きっぱなしにしたりアイスの空箱を置いたり・・愚痴を言わずにその度に「私が」片づけてここは絶対にモノを置かない、という雰囲気を作っている。果たしてうまくいくかどうか・・・。
「何かに使えるかも」とふっと思う時、「どんな時?」と自分に問う。具体的にそれが「今」イメージできないモノなら「何かの時」にそのモノがあることなんて覚えているはずがない。だから「いつか使えるかも」の「いつか」がほとんど来ないのだ。
この本を読んで片づけに対するアンテナがまた高くなった感じがします。
「1年間使わなかったものは捨てる」式の片づけ術だと、この1年は使わなかったけど、次の1年は使うかも…と未練が残ってしまい、結局捨てられずじまいですが、著者の言う「ときめくものだけ残す」式だと、なるほど、ふんぎりがつきます。
とりあえず自分の服や食器、台所用品、DVDやCD、1階にある雑貨を片づけてみました。
服だけで45Lのゴミ袋7袋、食器と台所用品を50キロ、処分することができました。
もったいないとは思いませんでした。むしろ、死蔵品として何十年も放置してきたことに対して、服や物に対して申し訳なかったと思いました。
捨ててみて気づいたことですが、ここにこんな物がしまってあったとは、と驚くこと多数。既にあるのに忘れて、同じものを2個買っているものがいくつかありました。
今では、どこに何があるかちゃんとわかります(整理した物についてだけですが)。
自分が把握できるだけの量の物を持つ。それがこんなに心地いいものだとは。
私がこういう境地に陥ったのは、震災がきっかけです。
エネルギーを湯水のように無駄遣いし、大量の物に囲まれて生きる暮らしがほとほとイヤになったのです。
自分が本当に好きなものだけに囲まれて、シンプルに生きたい。そう思うようになりました。
この本は震災前に書かれたものですが、見事に自分の考えとマッチしました。
ただ、「場所別でなくジャンル別で片づける。服なら服をすべて床に並べて一品ずつ手に取って判断する」という鉄則は、言うは易し行うは難しで、引っ越し並みの覚悟と時間が必要なため、私の場合それは断念して場所別に区切った上でジャンル別に片づけました。
それでも上記の通り、効果があったような気がします。リバウンドしなければですが。
著者の少女趣味な言葉遣いに対して、反発するレビューもありますが、私はこの著者の芯にあるものは日本人特有のアニミズムなのだと思いました。
「物みなすべてに魂宿る」というあれです。
だから物や家に語りかけたり、それらに感謝し、それらが語りかけてくれる言葉に耳を澄まそうとする姿勢でいられるのでしょう。
限られた品を大切に使い、シンプルに心豊かに生きていた昔の日本人らしさに通じるライフスタイルで、私たちが忘れていた生き方を思い起こさせてくれる気がしました。
【追記】
ベストセラーになり、テレビでも取り上げられたことで、風当たりも強くなってきましたね。
手ひどく酷評されている方の中には、この本の神髄に気づいていない方がおられるのではと思います。
これはモノに対して自分がどう向き合うべきかを気づかせてくれる本なのです。
自分のライフスタイルに合わない部分は、合うように読みかえればいいだけのことだと思います。
それを、自分のライフスタイルに合わないからダメな本だと切り捨てるのは早計ではないでしょうか。
著者の自分語りの部分は、年若く無名な著者がどういう人物なのか、信頼するに足りる本なのか、判断するためには必要でしょう。
リバウンドしないというのは、著者に片づけを指南してもらってリバウンドしなかった顧客のことであって、懲りて二度と来なかった顧客のことではありません。
それすらわからないのであれば、この本を語る資格はないと思います。
パート1に続く続編です。 1でネタは出尽くしているのでは?と思いましたが、1を上巻とするなら2は中下巻といった役回りだと思います。
例えば衣服のたたみ方ですが2巻では図入りで説明があり、難しい服のたたみ方など分かりやすく解説されています。
また、下駄箱やキッチンなど場所に応じた片付け術が書かれていますが…。
個人的にはキッチン編をとても興味深く拝見しました。
キッチンの片付けに執念を燃やす筆者がレストランの厨房でプロの片付け術を観察する様子…。 そして"水と油周り"がキッチン掃除での要となること…。
"すぐ道具がとれる"が"整理が出来ている"と違うこと…など今まで考えもしなかった新しい概念に感嘆しています。
特に驚くのは"生ゴミは冷蔵庫へ!!"という発想! 普通…しませんよね…と思いつつ、早速やってみたら良かったです。 まあすべてを実践するのは、私には無理ですが…役に立っています。
コンマリさんの片づけ術には毎回驚かされます。 三巻目ではどんなノウハウが飛び出すかを楽しみにしています。
ベストセラーだったので、1冊目とこちらの「実践編」をあわせて読みました。 断捨離的な内容だなと思いつつも、1冊目はいくつか勉強になる部分もありましたが こちらは「売れるから強引に出した」という感じが否めません。 実践編といいますが、1冊目とあまり変わらず。むしろ焼き直しかと。 1冊目に引き続き15〜20分もあれば読めてしまいます。
どちらか一冊読むなら1冊目です。そして1冊目を読んだのだったらよほど著者の ファンでない限り特にこちらはオススメしません。 悪いことが書いてあるわけではないので☆は3つにしておきますが、定価を考えると 割高感もあるし、限りなく☆2に近い☆3です。
カレン本から読み始め、実践しながら断捨離系の本を10冊以上読了してきました。この本は電車の車両広告で知ったのですが、片づけの魔法というタイトルから収納本の類いだと思いむしろ敬遠していました。そんなある日立ち寄った書店でこの本が平積みに。一応話題みたいだしとりあえずチェック…ん?これ…まず『捨てる』?へー…なんかエピソードもわかりやすいぞ。思ってたような本じゃないみたいと購入、一気に読了しました。素晴らしいです!久しぶりに誰がなんと言おうと自分はこの本を支持する、という本です。
大多数の断捨離本とは異なる切り口や実践方法にとまどう人もあると思いますが、こんなに物を大事に思う気持ちが伝わってくる本はありませんでした。今までも物の整理をし、もっとふさわしい場所に送っているんだ、という気持ちで捨てたり処分するのに理屈では納得していました。けれど最後の最後で心のどこかでひっかかりを感じていたのも確かです。ほんとのところ物たちはどう思っているんだろうと。けれどこの本を読んでその、自分的に最大の難関だった部分が輝くようにクリアになりました。著者のような視点で物と人の関係を解き明かしている方は初めてです。つい涙腺が弛んでしまったほどでした。
でも、この本を読む前に他の断捨離本を読んできたことによって自分はこの本の価値に気づけたのだと思います。事実、さして断捨離に興味のないまま話題だからとこの本を読んだものの、ふーん、で終わってしまった方も身近にいらっしゃいます。もちろん他の本も、この先の人生で取り入れられる素敵な意見や考え方でいっぱいですから、大事にしていくつもりです。ただ、最後の片づけ本として出合えたのがこの本でよかった。
こんまりさん、ここまでの衝撃をくれてありがとうございます!断捨離や片づけに興味を持つ人と出会ったら、僕はこの本を勧め続けますよ!
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