You need to have all 48 episodes of this series, which represent the japanese society at its best. A total hit at the time. And this 2008 edition includes English subtitles as well.
1937年、本作の監督である山中貞雄はこの作品の封切りと同時に召集され、翌年29歳の若さで日中戦争で戦病死した。本作冒頭で長屋住人の武士の首吊り自殺が描かれ、メインキャストの一人である別の浪人も就職活動が上手くいかず、ひたすら苦労を重ねる。戦争中のため勇ましさを鼓舞しようとする世相に抗うかのように、冒頭とラストで武士のエピソードを描き、また同時に庶民のしぶとさと哀しさも描いて見せたこの作品だが、もし山中監督の召集が映画人への見せしめだったのだとしたら、こんな抑え目な描写でさえも当時は軍部に睨まれたということになる。驚きを禁じ得ない。
タイトルから「人情味溢れるほっこり時代劇」を想像する方もいるかもしれないが、全編を通して哀しい抒情にあふれた作品である。どんちゃん騒ぎで憂さ晴らしをしつつも、一貫して力(=政治力、財力、暴力)を持つ者に踏みにじられ、時に様々な形で命を落とす庶民の姿を描いた本作には、何か山中監督の世相に対する怒りが見えるようにすら思う。何時の時代にも通じる名作。
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