DARK TRANQUILLITYがかつての姿である初期の衝動と輝きを取り戻してくれた。 ヘヴィ・メタル的なアグレッションとスピーディーかつ劇的な曲展開に、コレでも喰らえ!と云わんばかりの波状攻撃のように盛り込まれる激情の哀感たっぷりなメロディが乗る様は正にかつての、ずーっと待ち焦がれていたDARK TRANQUILLITYが本来持っていた姿だ。但し今作でのメロディの感触は、派手に目立つことはないものの「Projector」以降のサウンドの鍵を握るキーボディスト・Martin Brandstromにより醸し出されているゴシック的な耽美な世界感が強く出ていることから4th「Projector」や5th「Haven」のメランコリックかつ憂愁な部分が強調されているように感じられ、かつての焼き直しってわけではなく、その上、無駄な部分を削ぎ落としたかのように曲はシンプルになり、以前のように起伏のあるこ難しさは皆無となり、耳に馴染みやすい即効性のある音へと変貌を遂げ、「Projector」や「Haven」という作品が決して無駄でないことを今作が教えてくれる。 そして何よりも今作最大の驚きと感動を与えてくれたのは「The Treason Wall」である。ここ最近メロディックデスメタルシーンに於いて『名曲』だと言い切れる程の衝撃を受けることはなかったのだが、この曲はこのバンドにとってもかつての名曲群に決して劣ることのない力を感じさせるだけの説得力を持っている。パワフルかつアグレッシヴに、そして所々で悲哀を感じさせ、非常に煽情度の高いメロディがドラマティックに展開しながら疾走する様は、今年のメタルを語る上でなくてはならない曲ではないかと個人的には思う。 しかし「Projector」と「Haven」こそがDARK TRANQUILLITYであると思うファンにとって、今作が期待外れの出来なのも事実だったりする。
Damage Dane発売後のライブ映像。The GallaryからDamage Daneまで満遍なく網羅した選曲、安定した演奏、勢いにのるバンドのケミストリーを感じることができます。 が、何を思ったのか、本編はポーランドでのライブ映像。場所はいいとして、客の少なさが目についてしまう。拍手や歓声もまばら。空回りがちなMCなど、どうしてもマイナスに感じてしまう。ビッグフェスや、本国でのライブであれば、もう少しオーディエンスも多く、熱狂的なライブになるのではないか?その辺が残念。
北欧メロデス最後の砦、Dark Tranquillityの9th。
まるで真冬の古城で何者かに背筋を撫でられたかのような、そんな薄ら寒さを感じさせる。
メロデス界の至宝となった6th〜8thからアプローチの仕方を変え、ブラック・ゴシック的要素を強めてマンネリ感を払拭。DTの個性を維持しながらよりダークになった一枚。彼らの持つ美しさ、哀愁感、ドラマ性は相変わらず高クオリティで、安心かつ納得の名盤です! 個人的には 3.The Fatalistの荘厳なピアノ、11.Iridiumの過去最高ともいえる慟哭感、超感動インストボーナストラック12.Star Of Nothingnessがお気に入り。
それにしても、ここまで高クオリティの作品を途切れることなく出し続けるDTはもっと評価されるべきだと思う!
前作がすごすぎたので、あまり高く評価されていませんが、作品としての完成度は高いです。泣きメロが好きな方におすすめです。
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