やっと読むタイミングが訪れました。短編集でも時系列や場面がばらばらなため感想はそれぞれ分かれますが、やはりジントとラフィールの物語をメインに追っかけてきた私としては「転居」が一番おもしろかったです。台詞が多く、二人の独特な掛け合いがなつかしくもほほえましい。また新しい作品が読めるといいなと改めて思う1編でした。
星たちの眷属であるアーヴの第一王女、ラフィール。星界の紋章と、これに続く星界の戦旗のシリーズのヒロイン出生の秘密がここにある。「そなたの遺伝子が欲しい」...アーヴにとって最高のプロポーズの言葉である。さて、アーヴは宇宙を生活圏としている。蜜月もやはり宇宙である。彼らが訪れた場所はどこなのだろうか?その秘密にあなたは気づくことができるか!
すっごく盛り上がって、これから!って所で話は終わっています。
向かうところ敵なしの星界軍、最近は、いつも勝ってばかりいるので緊張感に欠けるような気もしましたが、常勝の星界軍も本当のピンチになった!?ところで終わってます。
星界の戦旗(4)は,(5)の前章のような感じです。(4)で初登場あるいは本格登場の人物や設定は(5)以降への種まきのような感じです。
は〜、早く次が読みたい。
(総合5.5/10点)
第5話「ゴースロスの戦い」★★★☆☆6/10点
巡察艦ゴースロス、最期の執念。直接的な艦隊戦の描写は少ないものの、
第2級戦闘態勢からきめ細かい機関、艦砲、戦術描写がスペースオペラの
壮大さを盛り上げ、緊迫感と絶望感を煽ります。ラフィールの温かな笑顔と
対極的に終局を描き、悲劇の辛辣さを強調しているのもやるせない気持ちに
させられました。
第6話「不可解な陰謀」★★★☆☆5/10点
補給のため立ち寄ったフェブダール男爵領地での一悶着。
王女であるラフィールを恐れ、敬うその過剰すぎる「下々」の者の
慇懃無礼な振る舞いに苛立ちます。真摯な態度ではなく、相手の立場を
流用したかのような自己顕示と自己満足に駆られる「小物」ぶりを
遠まわしに描いた渋い仕上がりです。前回の信念の強さとは裏返した
器の小ささ、人柄の矮小さを魅せ付けています
(総合5/10点)
第11話「スファグノース門沖海戦」★★☆☆☆4/10点
アーヴという種族に譲歩、後退、防御など守りや逃げの行動は
ありえない。やるからには徹底的に、やられたら倍以上の反撃を。
どこか上品で気風漂う豪快さで突き進む司令官と参謀二人のやりとりが
微笑ましく映ります。肝心のお話が停滞気味なのが残念。
第12話「惑乱の淑女」★★★☆☆6/10点
偵察分艦隊フトゥーネの司令・スポールの優美な指揮の影に潜む
アーヴとしての残忍傲慢ぶりに驚かされました。
言い訳、撤回など決断力の無い愚か者を無限回廊に叩き込むような
制裁処置など、その常軌を逸した尊厳ぶりはある意味尊敬に値するかと。
絶対君主制ってこういう人が構築するんでしょうね・・・参考になりました
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