表紙の意味が判読できず、作者のお得意の伝記物形式のお話、しかも納得の行く設定に 本当にそんな学説でもあるのか創作だよねと不安になる 後半作品は再掲なので割愛
自分はそれなりに楽しめました。ただ・・時間が短い・・登場人物がベクシル〜〜☆・・悪役は01の隊長ばかり目立つてた〜☆と言う所でしょうか?
中学生の頃に夢中になって読み耽った、あの天才SFマンガ家《星野之宣》氏の、傑作短篇集です。収録されているのは、「美神曲」、「残像」、「世界樹」の三編です。どれも傑作ですが、特に最後に収録された「世界樹」という短篇には、絶大な影響を受けました。この《世界樹/ユグドラシル》というイメージは、今でも、私の思想の《根幹》として存在しています。この短篇集は、今ではメディアファクトリーという出版社から、さらに短篇を三編追加して、文庫版として再発行されているみたいなので、興味のある方には、そちらをオススメします。面白いですよ。
よく諸星大二郎と比較される。お互い、それは意識しているらしく、星野が諸星の家を訪問した際に、自分と同じような蔵書が並んでいるのを見て苦笑したというエピソードは有名だ。 ただ、この二人は画風は両極端といってよい。諸星の絵は手塚治虫をして、「彼の絵だけは真似できない」と言わしめたデビュー以来変わらぬ、ある意味で一生完成しないような画風であり、独特な魅力を持っている。 一方、星野之宣の絵はデビューの頃に既に完成されていたと思う。端正でリアルな絵、そしてスケールの大きなストーリーが魅力的な作家だ。その洗練度はますます高まっている。 作品については両者の空想力は方向が違うにせよ、お互いに引けをとらないと思う。むしろ本作品集収録の「アウト バースト」などを読むと、着地点は同じような気がする。 この作品集は何度目かのリメイク版であるが、大判でカラーページが再現されているのが特徴だ。作品としては海洋、北方の島、南洋のジャングル、宇宙空間とバリエーションにとんだ舞台で、それぞれ思わずうなってしまうような作品が収録されている。もし星野之宣を知らない人がいたら、入門書としては適切だと思う。
インターネットが普及する以前、SFではコンピュータが人類を支配しようとして人類対コンピュータの戦いが起こる、というテーマの話が沢山出た。人間が勝つ話も多かったし、コンピュータが勝つ話もあった。中には両方負けてしまう悲惨な話もあった。
その中で、どれにも当てはまらないユニークで深遠な回答を打ち出した作品である。
作品中では、コンピュータが人間を支配しようとするなどというのは人間の妄想である、しかし、もしコンピュータ・ネットワークに「生存本能」のようなものが自然発生したら、コンピュータも自覚せずに人間を排除する行動に出る可能性がある、とする。犬が蚤をふるい落とすように。
主人公の博士は、高度な人工知能ネットワークを推進するべき信念の持ち主であったが、科学者の良心として、危険があると分かっているものを安易に導入するわけにはいかない、と悩む。
ついに出たアイディアは、地球から隔絶された人工コロニーに、わざと生存本能をプログラミングした上で人工知能ネットワークを作って、それを攻撃し、最終的に人間が「電源を切れる」かどうかを実験することになる。コンピュータは予想をはるかに超えた知性で反撃してくる。
・・・そして、知性をどんどん発達させたコンピュータは、ついに、この馬鹿げた戦争の本質を発見する。
ここで面白いのは、このコンピュータは人間の言葉が分からない、ということだ。だから、人間と交渉することはできない。
その途中で、人間とコンピュータ双方にとっての重大な危機がだんだん迫ってくる。
人と話をすることができないコンピュータが決断した行為とは・・・。
現在、インターネットが地球上を覆った結果は、ネットを通じてマルウェアをばら撒いたりなどなど・・・結局は「人間の敵は人間」だった。
この作品のようなコンピュータがあったらよかったのに、という思いを込めて最高評価にする。
Amazonのレビューでは、これを原作とした漫画と一緒になってる(別作品と扱うべきだと思う)が、このレビューは小説のレビューだ。漫画は結果が違うらしいので、是非読んでみたい。
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