もうクオリティの高さについてはさんざん言われており、今更のような気もしますが。
この作品で描かれるのは、派手で見た事もない物ではなく、
懐かしく、美しく、馴染みのある風景、道具、しぐさ。
だから逆にごまかしがききません。
雪中や山道の歩き方、ご飯のよそい方、蝶結びの仕方、筆の置き方、倒れ方、
糸の紡ぎ方、箸の使い方、松葉杖の使い方...挙げていたらきりがありませんが、
すごい地味なところまで、本当に美しく描いてくださっていて、
何度観ても「こんなところまで!」と驚きます。
テーマカラーも、後半は特に繊細な、日本の伝統色が採用されており、
色彩設計が非常に細やかに。それでいて華やか。
「蟲師空間」で毎週放送前に色名が発表されるのが、楽しみで待ちきれませんでした。
そうそう、「蟲師空間」でリアルタイムにスタッフの方々のお話を読めたり、
他の方の感想や、色々「蟲師的」な話題を楽しめたりしたのも新鮮でした。
これが週1回のペースで仕上げられていた事は驚異的。
どれだけ大変だったか想像もつきません。
この巻収録までで、地上波放送は終了しましたが、
少しは残り6話(BS放送分)にむけて時間が取れたでしょうか...
スタッフの皆様、本当にお疲れさまでした&ありがとうございました。
とても良い話です。私は「一夜橋」で泣いてしまいました。「籠のなか」でも泣きました。3編ともよかったです。どれも不思議な話で、印象に残ります。DVD2本くらい見たらハマるのではないでしょうか?「蟲」という新しいジャンルで(気持ち悪くはない)私はだんだんとハマってしまいました。
「日本昔話」みたいな感じで、あの作品をもっと大人向けにして絵を綺麗にした様な感じ。子供が見る様な簡単な“アニメ”じゃなくて大人も見られると思います。むしろ大人向けと言うか…。話がまとまってるし、毎回の音楽も良い。人間味があると言うか…ハマってしまうと続きが早く見たくなります。もし不思議な話や和風な話が好きならオススメです。
この作品の涙のこぼれ方が良いなぁと思うのは私だけ?とてもリアルです。
非の打ち所が無い。
映像、音楽、背景、キャラクターデザイン、声、構成、脚本。
そして、その全ての融合。
基本的にこの蟲師のシリーズはジャンル的に「ファンタジー」に分類されます。
そして、ファンタジー作品にとって、最も重要な物。
「今まで、誰も見た事のない物を見せる」
これが確実に満たされていれば、ファンタジー作品はその時点で100点です。
はっきり言いまして、そこが守られていない作品が多い中、これは数少ないその例外。
さらにその上、「見た事のない物を高度に演出する」これが出来ている物は正に本当に一握りです。
特に、この其ノ弐に収録されている第三話「柔らかい角」は其の頂点に至っていると断言できます。
何と申しましょうか「久々に」良い物を見させてもらった事に感謝の気持ちを込めまして星5個でお願いします。
全話、レンタルして観ましたが、それでもDVD欲しいと思わせる作品です。
いつかBOXが出ると信じて待っていた甲斐がありました。
人ではない。 動物でも、植物でもなく、妖怪や幽霊とも異なる「蟲(むし)」がいる世界のお話である。 蟲は、様々な種類があり、特有の習性を持っている。 視えるものと視えないものがいるのは、幽霊と同じだが、ただ視えるだけではいけないときがある。 人に寄生したり、怪奇現象を引き起こしたりするのだ。 生態も解明されていない蟲たちに対処するのが「蟲師(むしし)」であり、方々を回って旅をしながら生計を立てているのが主人公のギンコである。 蟲という媒体を通して、山や川、海といった自然と共に生きるとはどういうことなのか。 生きていくために何を棄て何を守り抜くのか。 人の愚かさはもちろん、人の温かさや優しさといったものも感じられる物語です。 何より良いのが、ギンコの飄々としつつも優しく、そして時に厳しく本質を衝く性質です。 嘘を言わず、いかに相手に視えない蟲を理解してもらうことが大変なことか。 『蟲師』を読めば、これが蟲にだけ当てはまることではないということがわかると思います。
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