疾走感のあるメロディも繊細な歌詞も大好きです。10年経ってもちっとも飽きの来ない曲で、小沢健二さんはすごいな~とつくづく思います。
収録されているtestament(遺言)を残しフリッパーズギターは解散しました。その解散の仕方があまりにも突然で、コンサートの中止等に関係者やファンに多大の迷惑をかけた事はプロとしての自覚が足りないと新聞で批判されたことでも有名です。 彼らの「遺言」として見ると、そのサイケデリックで観念的な映像にもメッセージがあるように思えてきます。しかし、今や伝説の二人のミュージシャンがひとつのバンドに在籍したという証拠の方が、意味としては大きいのかもしれません。 最後に二人が壁にもたれて立っているシーンで終わるのですが、当時の私は「これでフリッパーズも見納めか・・・。」と何度も何度も繰り返し見た記憶があります。 奇跡の歴史、証拠を是非とも見て頂きたいものです。
フリッパーズ・ギターの3枚目のアルバムにしてラスト・アルバム。これまでのネオアコ路線からうって変わって、全編に渡って大胆な打ち込みとサンプリング音源を使用したアルバムである。それにしても、プライマル・スクリームの「ローデッド」「カム・トゥゲザー」の影響はあるにしても、ここまでの作品を作り上げた彼らには本当に脱帽せざるを得ない。サイケデリックな音の質感もそうだが、このアルバムを特徴づけている要因の一つとして、小山田君の歌い方の変化が挙げられる。あんなに快活でポップな響きを持っていた歌がこれまでに無いダークなトーンで歌われていたり、小沢君の歌詞にしてもこれまで以上に諦念、焦燥といったキーワードを突き詰めた内容となっている。それが最も良く現われているのが「ゴーイング・ゼロ」「奈落のクイズマスター」そして「ヘッド博士の世界塔」の3曲だと思う。詳細は省略するが、この3曲を聞けばこれを最後に彼らが解散してしまったのも残念ながら納得せざるを得ないからだ。80年代に現われた「恐るべき子供たち」が最後に放った最高傑作。ちなみに、「ヘッド博士~」のラスト・パートのアイデアは後にコーネリアス自身が「69/96」「ファンタズマ」でも応用していることからも、このアルバムが彼にとって逃れがたいプロトタイプであったのかも知れない。
音楽雑誌の編集者だった20代、出会った彼らには人生が変わるほどの衝撃を受けた。仕事も個人的な趣味も超えて、何か自分の心の一部になってしまったような。10年たった今もその一部は新鮮なまま。他のバンドと比べ小沢健二の詞はあまりにも素晴らしすぎた。どのアルバムも好きだけど、この一枚は どんな辛いときに聴いても至福の気分になれる。個人的には「すべての言葉はさよなら」が好き。「午前3時のオプ」はオリジナル・ラブの「夜をぶっとばせ」を彷彿させるサウンドと、苦しいほど理解できる詞にカタルシスを味わった。
SHM-CDでのリリースが中止になったので購入しました。
この作品はエル・レーベルの薄い音を意識した仕上がりになっている上に
当時のマスタリング技術の限界もあって今聴くとさすがに…と正直感じてたのでリマスタリングはかなり嬉しいことです。
それぞれがパラパラと鳴っていた音がしっかり響きあっていますし、 ボリュームを上げただけでは分からなかった音が聴こえるようになりました。
こんなに演奏がよかったとは…
購入前に心配していたドンシャリも杞憂に終わりましたし、
しょぼいと散々言われ続けたカメラ!カメラ!カメラ!もこちらはそう感じさせないバランスになっていて驚きました。
エコーがかかってたという報告も見ましたがそれは元々の録音がそうで、旧盤も変わらないので問題ないです。
ちなみに例のオルガン外しは、高山氏の作業で渡されるのはマスターテープなんでソース自体はいじれませんから
当時のプロデューサーの牧村氏か吉田氏が意図的に外した可能性がありますね…
|