厳しいこと言うやつに、はっきり文句を言うことのみ書いてあると思いきや、なぜ、人は他人を誉める・認めることをしないのか、について書かれていた。 確かに、自分では他人に認められるとうれしいはずなのに、なぜ他人にそのようなことをしないのか。できてあたりまえのことは、空気のように感じられてくるので、だんだん人は気が付かなくなってしまうと。 個人的には、この本を読んで、むしろ他人を誉め・認めることを積極的に行っていかなければならないと感じた。
3時間10分の長尺ながら、役者による迫真のドラマと実際の記録フィルム挿入でドキュメンタリーを観ているようで、あっというまに観終えました。 また、60年安保前後から解きほぐし、掘り起こし、60年安保闘争〜安田講堂〜よど号ハイジャック〜ブントの分裂といった、時代背景をキチンと時間を追って描いており、原田芳男のナレーションもあって、学生運動の盛り上がり、そして党派対立による暴力的衝突、各派のリーダー格であった者たちの逮捕等を経て、連合赤軍が結成に到るまでの経緯がすごく分かり易かったです。 そして、メインである山岳ベースや、あさま山荘で何があったのかが、可能な限り人脈を辿り元革命戦士達に取材を重ねたらしく、しっかり描かれています。「あさま山荘」に立てこもってからの描写は、30分もないと思います。
彼らが、その言葉自体に追いつめられていった「自己批判」とは「共産主義化」とはなんだったのか? 「私」を否定して初めて共産主義化された革命戦士であり、それができないものは日和見であり、プチブルであり、反革命の温床であというロジック。 そして結局は「自己批判」「総括」「総括援助」と進み、集団殺人事件となってしまった。優秀(?)なリーダー不在で、B級、C級のリーダーに引き継がれたということも大きな要因だったのかな。
浅間山荘において、坂口弘の言葉によって説明される、彼らの位置や、行動理念は、とてもよく分かる。死んでいった同志への落とし前をと語る者たちに対して、抑え込んでいた気持ちを爆発させ、「勇気がなかっただけじゃないか。俺も、あんたも、あんたもあんたも」と詰め寄る少年の気持ちも。 民衆の賛同を得られない革命など、成功するはずはないのに...。
初めて「虹色の戦争」を聴きましたが、楽曲の構成、歌詞共に良いと思いました。
いつの頃からか、こういうメッセージ性の強いアーティストが日本から減ってしまい、JPOPへの興味が薄れていました。
彼らの歌詞には、日本社会の様々な闇への抗議も込められているのではないかと思います。
色々な意味で心に強烈に刺さる歌詞ですが、権力お抱えの御用アーティストより、個人的にはよほど好感が持てます。
様々な批判の声もありますが、欧米なんかではこういうキツめのアーティストはザラにいるわけで、この程度で出る杭を打つようでは、後進国レベルの狭量な反応かなと遺憾にも思います。
当たり障りのない音楽ばかり作っても芸術としては二流の域を出れない訳ですし、空振り三振のリスクがあっても自分達のメッセージを表現、発信しようとする彼らのような勇気あるバンドが若者に好かれるのも頷けます。
これからもっと成長して、聞く人にホンモノの感動と啓示を与え続けられるバンドになってくれることを期待し、応援します。
第二次大戦中、ナチス占領下のパリ郊外のカトリック系寄宿学校。ボネというひとりの転校生がやってくる。優秀でどこか大人びた雰囲気を持つボネにジュリアンは対抗心を抱きながらも、二人はだんだんと仲良くなってゆく。しかし「反ユダヤ」の影が学校にもやってきて…。 血は一滴も流れない、死人も出ない、悲惨な暴力シーンもない。そういった形で描かれる戦争(映画)もありますが、それだけが戦争ではありません。日常でのユダヤ人差別もそうですし、理不尽に引き裂かれるひととひとの関係、あるいは壊されたひとの良心みたいなものもそうです。この映画で主に描かれているのも、戦時下での少年たちの、日常の、学校生活。それも非常に淡々とです。だからこそあのラストシーンにはぐっとくるし、戦争は(当たり前のことですが)こんな形でもひとを切り裂くんだと、改めて思わせてくれます。これはルイ・マル監督の自伝的作品だそうで。ラスト、ジュリアン少年の顔に重なる(おそらくはルイ・マル自身の=大人になったジュリアンの)「声」が忘れられません。 「反ユダヤ」はナチの特権ではありません。レジスタンスでナチに抵抗していたフランスでも、ユダヤ人の「密告」は日常的に行われ、戦後何十年かたってようやくその事実が公然に暴かれたそうです。この映画でもフランス人による「反ユダヤ」、「密告」が「戦争が切り裂くもの」につながっています。
粒がはっきりした個性的なピアノ。ショパンらしからぬ?明瞭な音かもしれませんね。でも、はっきりとした意思を感じられます。 ゆえに、好き嫌いは分かれるかと。
個人的にはとても好きな演者ですので、繰り返し聴かせてもらっています。 オケはややピアノに引っ張られており、違和感を感じる個所もあり。しかし、全体的なバランスは破たんしていません。
聴く価値はあるかと。
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