本作は前巻に続く偽骨董商退治(?)話と、震災に絡めましての 上司をぶん殴った若い官僚さんの、ま、この作品らしいストーリー。
で、まあ、おせんさんのキャラは相変わらずだし作品としては大好きなんですが、 根底を流れる価値観。悪いのは皆お役人。次が大企業。ざーっと下がって人より儲けてる奴らに 新し物好きな連中。そういう連中、皆ダメ!悪!狡い!汚い! ……って、斯様なナントカ新聞(系列TVナントカ)的、 昭和の匂いムンムン、学生運動とかナントカ一揆とかを彷彿とさせる そういうの、そろそろ止めにしましょうよぅ。いえ、間違ってるとは言いませんが。 この国の官僚、役人がバカ揃いなのは大いに認めますが、大企業を支えているのだって 庶民ですし。そも大企業が幾つの中小零細を抱え、仕事を回しているかって話で。
要は、たまーに付き合いきれなくて疲れちゃうんですよ。好きな作品であるだけ 余計にね。まあ、TV化でえらい目に逢われたようなんでご同情は致しますが……。
とはいえ作品としては、やっぱり面白いです。描かれた世界を理想のファンタジーとして やはり割り切って、これからも楽しく拝読させて頂こうと思う次第であります。
今巻は「父親(珍品堂)の悲哀」「男の味噌汁」「井の中のカワズ 一升庵で文化衝撃」の3編(勝手に名付けました)。 料理がどれも美味しそうで、1本スジの通った良い仕事をしています(シロウト料理を含めてね)。 ただ「雨中蕗 蒔絵箱」。。見たい! 蒔絵の中でも金を使った「沈金」になるのでしょう きっと。何度も塗ったウルシの「漆黒(しっこく)」が鮮やかな彩(いろどり)を支えて。。作品中の空想(妄想)かもしれません。現実に有るならURL貼って欲しいくらいです。
共感したのは第74話の「結婚式場のおね〜さん」。良い道具に触れて「緊張」する。良い(スゴイ)道具は使い手の背すじを伸ばします。道具に込められた「想い」が分かるのも「プロ」だからでしょう。
知らない男と女が仲良くなっていく過程は微笑ましい。おせんさんと河村先生の場合も然り。
茗荷の味噌炊き柚子風味、木原唐津と柚子皮羊羹、柚子風味バリバリギンギン牡蠣しゃぶと牡蠣のすり流しとろろ汁
みんなみんなおせんさんの恋の料理ー私も食べたいなあ。
第44話の後半から河村先生と大和田社長のしがらみから話はだんだん切なくなる。
人の難儀、人の想いを受け止め易いおせんさん、そんなにがんばらなくても・・・
真子さんのように「横槍いれるのは筋がちがうのでは。」と言いたくなる。
八田との対決はどうなるんだろう・・・
おせんさんの正体を知った河村先生とおせんさんの恋の行方や如何に・・・
雑記1-第40話のお薄のがぶ飲みする二人の表情かわいいな。
雑記2-第43話でおせんさんが使った丸くずんぐりした徳利と大きな染付の擂り鉢好きだなあ。
雑記3-第46話の最後の絵はいいなあ、きくち先生こんな絵も描けるんだ。
前回がちょっと、寄り道すき&物足りなかったのですが 今回は真っ当な料理のお話でした。
でも、料理の話だけでは「おせん」らしさは物足りなく、 今後に期待します。
最後の作家先生とおせんさんのお話は楽しそう。
大人の恋の御伽話のはじまりかな。
この漫画はおせんさんが料理や骨董の御奉行様になることが多くてそれはそれで楽しめたけれど、最近ちと食傷気味でした。
今回の作家先生はおせんさんとなんとなくスタンスが同じ。
ものを知ってるだけじゃなくて、ものを楽しむことの素晴らしさを知ってそうなお方。
この漫画を1巻から読みだして数年、初めて男性の登場人物に嫉妬しました。
私もこんなおせんさんとお酒のみたいよ〜
続きが読みたくて久しぶりにコンビニでイブニングを発売日に立ち読みしてます。
きくち先生、このお話ゆっくり続けてね。
おせんさんを急いで脱がすとか野暮なことはしないでね。
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