前作 Colour Me Free 発売時以前からゴタゴタが続いていた大手レコード会社を離れ、自身のレーベルを立ち上げての第一弾アルバム。既に大ベテランのような佇まいと存在感のある彼女ではあるが、若干16歳でデビューした早熟の天才児は、実はまだ20歳台前半、ショービジネスに携わる“いやらしい大人”達との軋轢は相当なものであったろうと推察されるが、彼女はついに「インデペンデント」なアーチストとしての道を歩み始めたのである。
まぁジャケット写真にも強い「意志」を感じる今作だが、「満を持して」という表現がふさわしいのかどうか、実は元ユーリズミックスのD・スチュワートのソロ作を手伝うためにナッシュビルのスタジオに赴いたジョスだったが、それまで貯めに貯め込んでいたであろう剥き出しの感情を、そのまま歌に託すかのように、結局D・スチュワート・プロデュースの元、わずか6日間でレコーディングしてしまったのが本作。その瞬間刹那の、己の魂(ソウル)に忠実であろうとする、熱〜い咆哮が胸を打つ潔いトラックが全10曲40分。多少未整理な部分も無きにしもあらずだが、補って余りある、艶のあるシャウトが本当にかっこいい!そんな彼女のボーカルには、アコースティックの響きを充分に活かし、一音一音の輪郭までもがクッキリと浮かび上がる様な今作のアレンジはまさにぴったりで、なんと言いますか、ギターを“ガシャガシャ”と掻きむしりながらシャウトしている様が目に浮かぶようなアルバムです。この辺りのプロデュース手腕はさすがだよなぁ。
いやぁ、なんだがどんどんもの凄いシンガーになっていくようで空恐ろしい限りです。で、この後も前述のD・スチュワートの他、M・ジャガーに、故B・マーリーの末息子 D・マーリーに、インド音楽会の巨匠 A・R・ラフマーンと組んだ噂のスーパーバンド Superheavy が控えているしで、くだらないジャンル分けなんざ無縁の、もはや「ソウル」の範疇では括れる存在ではなくなってしまいましたね。
うん、なにも裏切らないストレートにサンボーン満載です。
弱冠16歳の英国人白人女性シンガーのデビュー作。 ホントに16歳?って思ってしまうほど、ディープかつソウルフルな 歌声で、マジで震えます。 写真を見る限り、キュートで無邪気な女の子って感じなのですが、 ひと声発すると、ベテラン・シンガーの如き情感豊かな歌を聴かせてくれます。 楽曲も'70年代ソウルっぽくて、最近のネオ・ソウル、オーガニック。ソウルが お好みの方なら、絶対のオススメです!
17歳でデビューした、クロい声を操る白人ソウル・シンガー、ジョス・ストーンのオリジナル2作目
“ジャニス・ジョップリンの再来"
“ホワイト・アレサ"と評価された彼女の
10代最後にして既に“魂の歌い手"へと成長した
彼女の秀逸作はこのアルバムで確認することができる。
プロデューサーにラファエル・サディークを迎えた、
今作は個人的には2007年ベストの1枚。
2曲目 ガール・ゼイ・ウォント・ビリーヴ・イット
は力強さと繊細を自由自在に行き来し優しく語り掛けるような声が印象的。 3曲目の ヘッドターナー
4曲目の テル・ミー・バウト・イットはソウルフルなポップスで現在のジョスストーンの名刺代わりとなるような曲。
5曲目の テル・ミー・ホワット・ウィアー・ゴナ・ドゥー・ナウはコモンの参加した本当に好きな曲
7曲目 ミュージックはメランコリックな曲調が印象的でローリン・ヒルがラップを聞かせてくれている。
11曲目 ブルーズド・バット・ノット・ブロークン
はすごく美しいバラード。
他にも全編に渡ってカッコイイ、ソウルフルなポップス
が聴けて捨て曲なし!
購入から1週間、カーステレオでかなりのローテでかかっている。地方への出張の行き帰りで聴いて、何てドライブに合うんだろうというのが第一印象だった。
全体的にアコースティックなサウンドでスローテンポの楽曲が多い地味目なアルバムだが、感動的な歌詞を歌い上げたオープニング曲から、それこそミック・ジャガーとデュエットできそうな2曲目、ハッピーなサウンドの7曲目と対照的なブルース群が深い味わいを醸し出して飽きさせない。
ナッシュビルに立ち寄ってからほんの1週間でCD1枚をレコーディングしてしまい、さらに全曲がこのクォリティーとは末恐ろしい24歳である。
しかし、声質といい歌唱力といい日本人にも同等の実力がある歌手がいるのに、絶対にこんなアルバムができないのはなぜだろう。
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