2001年8月リリース。京極夏彦原作・企画・脚本による、時代劇ミステリー第3弾。原作は『後巷説百物語』の『赤えいの魚』だ。『後巷説百物語』の中でも一番好きな作品で期待して観てしまった。で、なかなか良くできていて(仲良しの大沢在昌が出ていて嗤った)、笑った。ただしやっぱり「必殺」シリーズぽい。「必殺」シリーズを担当した松竹京都映画が制作していて、仕上がりがそっくりだ。つまり全部が作者京極夏彦の『好み』で作られているのだな。
あんまり「必殺」シリーズに似すぎだと、閉口する・・・・まあやはり面白いので許すが、ただ原作が余りに素晴らしいので、全く別の映像化能力に長けた榎木津(!!)氏のような人に再度挑戦して欲しい気がもの凄くする。
ストーリーは凄く良くできている。いかにも『百物語』に在りそうな話だ。世継ぎ世継ぎと急かされるのも何処かの国と一緒な気もしたな。
アニメ化された、京極夏彦著『巷説百物語』のオープニング&エンディング曲。予告で初めてこの曲を聴いた時、80年代シカゴハウスの中でも独特のスタイルを生み出したインナーシティを思い出しました。(懐かしやぁ)心地よい流動感はリズムのみならず、波の様に静かに押し寄せる彼女のVoiceのグルーヴ感溢れること!自然と首がスィングしてしまいます♪静の中で彼女が語る言葉は、このアニメとの世界観と絶妙なリンクを見せてくれています。エンディング曲はオープニングとは打って変わってとってもジャジーなバラード。物悲しく終わる物語に一層哀愁を感じさせられてしまいます。彼女のアルバムは一枚も持っていないのですが、この曲のお蔭で12月発売の全オリジナル曲収録のアルバムを購入してみたいと思いました。もちろんその前にこのマキシもゲット。
1999年8月リリース。『嗤う伊右衛門』に登場した御行の又市を中心に据えた『怪』シリーズ。御行の又市以外にも傀儡師、山猫廻しのおぎんやら、事触れの治平、四玉の徳次郎、御燈の小右衛門などなかなか濃い面子を揃えていてひきつけられる。巷説百物語→続巷説百物語→後巷説百物語と続き前巷説百物語(さきのこうせつひゃくものがたり)を最近リリース。出てくる順番が不規則でまるでスターウォーズみたいでもある。連載ものに1つの書き下ろしを加えるというスタイルもなかなかだ。
語りに実に味がある。こういう文体は京極の真骨頂だ。この『るび』が付いたり付かなかったりするところが微妙にイイ。書き出しのフレーズを整えてくるやり方も面白い。だからどうしても面白くなってしまう。変な言い回しだが昔の文人達は和綴古文を読んでこんな風に楽しかったのかな、ということを疑似体験しているような気分になってくる。
しょき。
さ。
ささ。
さささ。
さ。
旨いよなぁ。ホント。本作では特に最後の『帷子辻』が響いた。傑作である。
~京極堂シリーズとはまた違った面白さがあり、読ませます。 本来なら無頼の無宿人、小悪党な人々が登場人物なのですが、彼等が皆個性的で、魅力があります。 毎回小股潜りがどんな仕掛けをかけてくるのか、その意表をつく結末にはらはら、どきどき。 読みごたえがあって、楽しめます。 また文庫になると表紙に色々な張り子が使われて、それも毎回楽しみ~~です。~
双六売りの又一が「御行の又一」になるまでの成長譚(全6話)。
最初の2〜3話を読むうちは、
本シリーズファンなら分かるであろう独特の洒落た語り口と、
人の好い奉行所同心&十手の万三が
道化役としてオチに絡んでいくお得意の構図に満足はするものの、
事件も仕掛けも小さすぎて
内心“これはもしかして失敗したかな?”と。
でも、それは早計にすぎました。
まだまだ青臭い若造だった又一が、
例の“祗右衛門”の悲劇的なからくりに足を突っ込み、
様々な知恵者、業師らとの出会い、そして別れを通して
ご政道と闇社会の狭間にある自らの立ち位置を徐々に見極め、
ついに腹を括って
「御行奉為―おんぎょうしたてまつる―」
と言い放つ瞬間は、万感せまるものがあります。
後半になるに従いドラマチックな展開になりますので、
期待を失わず読み進めましょう。
ただし、前のシリーズ3作は読んでおかれた方が良いでしょう。
星は気持ちとしては5つなのですが
同氏の他の作品と比較した場合においての、4つです。
ん?「嗤う伊右衛門」はこの後の話になると思いますが…
その割りに又一さんは、まだまだ甘いなあ。
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