タイトルどおり、哲学の予備知識を持たない初心者を対象にした本です。
古代から現代までの哲学者30人を、(1)人となり、(2)思想のエッセンス、そして(3)思想を役立てる、と、3つの要素から解説しています。
1人1人の略年表、影響を受けた人・与えた人、読書案内も載っていて、この1冊からさらに知識を広めることもできます。
解説が堅苦しくないので、初心者にも親しみやすく、読みやすいです。
入門書であれば、その表現方法に違いがあっても(1)・(2)についての解説は当然として、(3)に本書の特徴があるように思います。
(1)・(2)を踏まえた上で、その哲学を実生活に結びつけ、ただの知識ではなく『人間の生に役立つ「知」』とすることで、さらに理解が深まるように感じました。
大澤真幸氏の分かりやすい解説と併せ、社会学的思考の醍醐味(凄み)を感じさせる一書。1965年と1973年に発表された二論考が収められているが、いずれも内容は古さを感じさせない。なお、本書で示された認識枠組みを今日的状況に当てはめたものとして、例えば見田氏の朝日新聞2008年12月31日付論説「リアリティーに飢える人々」がある。(こちらもまた素晴らしい考察である。)
両氏の考察を自分なりにまとめれば、本書に登場するN・N(集団就職者)も、昨年6月の秋葉原殺傷事件のT・K(派遣労働者)も、「家郷から、そして都市から、二重にしめ出された人間として、境界人というよりはむしろ、二つの社会の裂け目に生きることを強いられ」た(32頁)のであるが(期せずして二人とも青森県出身)、二人の違いは抽象化して云えば、前者がいわば世間という「まなざしの地獄」に抗し得なかったのに対し、後者は「まなざしの不在」に耐えられなかったという点にある。また、N・Nの時代(高度成長期)にあっては、失われた家郷は都市においていわば擬似的に縮小再生産(核家族)され得たのに対し、今日(未来不在の時代)にあってはそれすらも解体の方向にあり、例えば「ネット心中」に代表されるようないわば擬似ネット家族のようなものがヴァーチャルに浮遊しているに過ぎない。
われわれは如何なる時代を生きているのか、またこの荒涼たる時代を如何に生きねばならないのか、まずは確認することから始めたい。
使い方には少なくとも2日はおくと書いてますが、伸びすぎるのが心配で1日たって様子をみたら、ちょうどよい大きさに伸びてました。とてもいい買い物をしたと思います。
値段も手頃ですが作りがやや華奢な感じがします。慎重に使わないと壊れるかもしれません。でもきつくて履けない靴が見事に履けるようになった時は感動しますよ。
|