ルネッサンス期から現代にいたる梅毒の歴史が書かれている。ヨーロッパだけではなく、日本や中国にまで言及があり、データの多さには恐れ入る。 ただ、書かれていることの多くが同時代の人々のパーセプションや解釈に関するものであり、結局、梅毒がどういう病気なのかということはこの本からは分からなかった。基礎的な知識がない私が悪いのかもしれないが、ならば、梅毒という病がなんであるか理解している人にしか、この本はお勧めできない事になる。 文学史・医学史の研究者には有用な情報が多く含まれているのだろうが、興味本位で読む者には、痒いところに手が届かない、というのが読後感である。
21編の短編集です。「ほこりっぽい地方都市の駅前ロータリー」とか、「さびれた漁村」とか、「田舎のお葬式」などに、こびりついている「昭和の空気」がプンプンしてます。 「えっもうおわり?」的な唐突な終わり方をする後味スッキリしない話が多いです。そんなぶっきらぼうな終わり方や、全般的に荒削りなところは、初期レイモンドカーヴァーっぽいです。 話の筋としては、明らかにハッピーエンドな結末としてまとまっている話もあるのですが、そんな話の場合でも、読みおわったあとは、なぜか暗い気持にさせられます。「気分が沈んでいるときに、更に沈んだ気分になりたい人」は読むとハマルでしょう。
黒澤作品の素晴らしさを称える言葉に壮大な戦闘場面や
巨大なセットを想像される方が多いかもしれません。
しかし根底にあるヒューマニズムと人間観察力の芽を
この映画に見出すことができます、昨今鬱や貧困の為
命を簡単に絶つ傾向にありますが、この作品を見ると
どんなに苦しい状況でも決してその辛さを外向きにせず
内なる戦いを挑む主人公の葛藤に凛とした命に対する
敬意と愛する人を思いやる気高さを教えられました。
学生の頃、三百人劇場で見た黒澤明の全貌という
シリーズで何度も見ては泣いた頃を思い出しました。
最後に志村喬扮する藤崎孝之輔が主人公の三船敏郎
演ずる藤崎恭二のことを「幸せだったら案外俗物に
なっていたかもしれません」というセリフが泣かせます。
三船敏郎と千石規子のクライマックスの場面は涙無し
では見ることができません、何度見ても美しい場面です。
TBSドラマ −仁−を見てあらすじが知りたくて、16巻の大人買いです。ドラマはいろんな制約から原作と違っているのでちょっと別物って感じになってますね。でもドラマを見たせいで、綾瀬はるか さんのファンになりました。コミックの中ではドラマよりも仁と咲ちゃんは、もっと親密なので是非読んでくださいな。
信長や正宗、謙信などの超有名どころの死因や持病、
とんでもない食生活や、健康オタクぶりなどのエピソードも面白いですが、
読みどころは、中堅武将のエピソードではないでしょうか。
主君の無茶ぶりや時代の趨勢に抗えなかった、中間管理職武将。
そんな、サラリーマン的な境遇によるストレスで、持病を悪化させて急死してしまったり、
働き過ぎで倒れたり、自暴自棄の末、不摂生に生活を送って病気になったり……。
そんな、かわいそうな武将がこんなにもたくさんいたとは!
一方で、島流しや追放された武将が、意外な長寿を全うするなど、
「戦国武将」という生き方が、とても大きなストレスにさらされるものだったということが分かります。
死因や持病を読み解くと、そんな、知られざる戦国武将の「人間臭さ」が見えてくる。
そのあたりがこの本の読みどころだと思いました。
一人の武将のエピソードは4ページか2ページにまとめられているので、肩肘張らずにスラスラ読めます。
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