香港ノワールは20世紀とともに死んだ。もはやアクションも韓流に持ってかれちゃったな。などと思っていたら、どっこい21世紀も香港ノワールは生きていた、と思わせてくれたのが『インファナル・アフェア』だった。映画館で観たときには、思わず快哉を叫びたくなった。とはいえ3作まで作られるとは思わなかったし、ハリウッドでリメイクされたり、日本でテレビドラマになったりするほどブームが尾を引くとは、正直思わなかったけど。
製作からほぼ10年を経て、3部作がブルーレイ化されるという。お値段はそれなりだが、これはやはり慶事だろう。いまだに人気が衰えないのは、このシリーズの魅力というのはもちろんあるけど、香港映画の(そして香港映画界の)底力だと信じたい。トニー・レオン、アンディ・ラウの2大看板興行に、レオン・ライも客演し、通しでエリック・ツァン、アンソニー・ウォンの2大バイプレイヤーも出演。ケリー・チャン、カリーナ・ラウ、サミー・チェン、エルヴァ・シャオ、と女優陣もにぎやかだ。
1作目は、虚々実々のコンゲームのように、ただただ面白い。2作目は、打って変わってファミリーというものを重厚に描いており、『ゴッドファーザー』の趣だ(個人的にはフランシス・ンの出演がうれしい)。3作目は、グランドフィナーレ。オールスターキャスト揃い踏みで“絵解き”を見せてくれる、というか新たなコンゲームを披露してくれる。難をいえばこのシリーズ、ひたすらシリアスなので、コメディリリーフを求める向きには適さないが、そうした生真面目な姿勢も含めて香港ノワールの集大成といえるのではないだろうか。ブルーレイをもって保存版としよう。
おきまりといわれればそれまでですが、こういう映画はもう大画面、大音量でみないと全く魅力が通じない映画でした。映画館で見たときはそれなりにテンポがよかったので、見ていて楽しかったのですが、それも大画面、大音量が有無をいわさず降りかかってきたからか、家で見るとなんともつまらない・・・。一つよかったのはプロジェクトに選ばれ、重要な役割を担うのが無骨な民間人だったところでしょう。ヒーローとされるのが、学者でも軍人でもNASAの人間でもなく、一人の男くさいオヤジだったというのがこの映画を救ったのだと思います。そういった意味では演技はうまくもお腹にしまりのないブルース・ウィルスというのは最適な配役でした。音楽は80~90’sロック好きにはたまらないですね。
人生の仕舞い支度の日々を、淡々と描いて静かな感動を誘います。 もっと泣かせる映画にしようと思えばいくらでも演出はできたと思うが、あえて作為を排除して、 人生の終わりを迎えようとする老婦人の、やっばり幸せだったなと思える日々を、カメラが端正にとらえていきます。 遊びの金ほしさに寸借を繰り返していた老人が、おどおどと花を手向けに来て深々と頭を下げるシーンはよかった。
見終わってから1日たちますが、まだ涙腺が緩みっぱなしです。 主演2人の、口に出さなくても伝わってくるお互いへの愛情が素晴らしい!
特に桃(タオ)さんの、施設に入ったばかりの固い表情からロジャーが会いに来た時の本当に嬉しそうな表情。彼が小さい時のおんぶひもの話、二人で映画を見た帰り道。本当に素敵なシーンばかりです。
アンディのファンでこの作品を購入したのですが、麻痺が残る桃さんに寄り添う優しい眼差しや辛い選択を迫られながらも気丈に振る舞う姿など、新たな魅力があります。
真面目に働き尽くす事を生きがいとしていた桃さんが施設に入り、思うようにならない姿には色々考えさせられました。桃さんに初めて声をかけてくれたお婆さんの娘の様に、キツく当たり散らし亡くなってから後悔で号泣・・という様になってしまうかも。介護に関わる方はまた違った感想があるかと思いますので、ぜひそのレビューが見たいです(^^)
特典映像のインタビューやメイキングは、監督やどの出演者も真摯な想いが伝わり、和気あいあいとしていて楽しいです!
拙い文章で申し訳ありませんが、少しでも気になったらぜひ見ていただきたい作品です。私はずっと大切にしたい1本になりました。
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